経営が厳しく一部廃線がささやかれるJR加古川線 でも…田園風景の中、昭和を代表する国鉄の通勤電車が走る魅力と利用者増に向けた取り組み

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2025年05月02日 06:40  まいどなニュース

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田園と加古川線(yoshitani/stock.adobe.com)

JR西日本・京阪神エリアのローカル線のひとつに、加古川線が挙げられます。加古川線はJR神戸線の加古川駅と福知山線の谷川駅を結ぶ全長48.5kmのローカル線です。同線は一部区間の廃止がささやかれるなど、なかなか厳しい状態です。そんな中、今年に入り、様々な取り組みが行われています。

【写真】加古川線で使われている昭和の通勤電車!郷愁!

国鉄時代の通勤電車が走る加古川線

加古川線は加古川沿いに南北に走ります。途中の粟生駅で神戸電鉄粟生線、北条鉄道に接続します。全区間を走る列車は少なく、区間により運転間隔が異なります。日中時間帯に関して、加古川方の加古川〜厄神間は毎時1〜2本、厄神〜西脇市間は毎時1本、西脇市〜谷川間は2時間ほど、運転間隔が空くことがあります。列車種別は全て普通です。

加古川線は全線電化ですが、電化は2004年と他線と比べると後発です。使用車両は1両で運行可能な125系と国鉄時代の通勤電車の代名詞、103系です。103系は北海道を除く全国各地の都市圏を中心に活躍し、昭和を代表する通勤電車です。老朽化により廃車が進み、定期運用がある路線は加古川線の他に、同じ兵庫県内を走る播但線、そしてJR九州の筑肥線のみとなりました。

加古川線の103系は中間車を前面改造したため、オリジナルとは異なる顔をしています。車内もリニューアルはされていますが、随所に懐かしさを感じるところも。重々しい走行音と相まって、どこか懐かしい気分に浸れます。

厳しい加古川線の現状

しかし、加古川線の経営は厳しさを増しています。特に西脇市〜谷川間は厳しく、2024年1月31日付の神戸新聞によりますと、同区間の赤字額は2億6千万円(2020〜22年度の平均)にのぼります。そのため、西脇市〜谷川間については廃線がささやかれているのです。

一方、大阪・関西万博の期間中に、様々な試みも実施しています。JR西では4月13日から10月13日にかけて、西脇市〜谷川間で1日上下各2本を新設。また、福知山線の特急「こうのとり」の上下計最大4本が新たに谷川駅に臨時停車し、加古川線の利便性向上につなげています。

また、加古川線が一日乗り放題となる「ぶらり加古川線 tabiwa 1 Day パス」を10月13日まで発売。大人1200円で、観光ナビ「tabiwa by WESTER」から購入します。

その他、6月13日までのイベントとして「ぶらり加古川線 WESTER スタンプラリー」を実施。加古川線の対象駅、観光スポット、ひょうごフィールドパビリオンをめぐり、デジタルスタンプを集めると、抽選で各種商品がもらえます。

JR西としては万博期間中の試みを検証する方針で、万博終了後に西脇市〜谷川間について何かしらの動きがあることでしょう。この機会に、大阪駅から加古川駅、谷川駅まで1時間前後でアクセスでき、ちょっとしたノスタルジーに浸れる加古川線を訪れてみませんか。

(まいどなニュース特約・新田 浩之)

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