
Xユーザー・でんすけ劇場さん(@densuke_cat)のもとには、3匹の保護猫が暮らしています。いずれも出会ったときは、まだ小さな子猫でした。交通事故や屋外での放浪、突然の親猫との別れなど、それぞれ異なる事情を抱えていた3匹との出会いは、偶然のようでありながら、どこか必然のような巡り合わせでした。
【写真】お迎え初日の緊張が伝わる…その表情に心がぎゅっとなる
偶然がつなげた縁 それぞれの過去を持つ子猫たちとの出会い
最初に家族になったのは、交通事故に遭っていたところを保護された王子くんでした。保護された方の事情で飼えなかったことから、ご縁がつながったといいます。
「王子は交通事故に遭ってうずくまっていた所を近所の方が保護され、お宅では飼えないということで我が家へ来ました」
次に出会ったのは、大阪・アメリカ村で保護されていたぐぅちゃんです。立て続けに2匹の保護猫を見送ったあと、寂しそうな様子を見せる王子くんのために、知人の紹介で迎えることを決めたそうです。
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「ぐぅちゃんはアメ村で保護されて、預かりボランティアさんの所にいました。当時だっこちゃん、ででこちゃんの2匹(ともに保護猫)が立て続けに亡くなって、王子1匹になってしまい寂しそうだったので、知り合いを通じてぐぅちゃんに巡り合いました」
最後にやってきたのが、でんすけくんです。職場の同僚の実家で保護された子猫で、親猫と一緒に現れたものの、その後ひとりぼっちになってしまったそうです。
「でんすけは職場の同僚の方の実家に現れて保護されました。はじめは親子と思われる3匹だったのが、子猫1匹だけ残して親の姿は見えなくなったそうです。寒くなる時期だったのでこのままでは可哀想だということで保護されたそうです。そのお宅には犬や猫が先住でいて、これ以上飼えないと。そこで猫好きの私に声がかかりました。3匹までは飼ったことがあったので大丈夫だろうと、即答でOKしました」
いたずらも警戒心も個性のひとつ 3匹との暮らしで知った想像と工夫の大切さ
新しく家族になったでんすけくんは、家の中に“新ルール”を生み出すほどのいたずら好きでした。好奇心旺盛で、ふきんやスカーフ、マスクなどを見つけては水飲みボウルの中へ入れて遊ぶため、辺りがびしょぬれになることもしばしばだったといいます。
「でんすけは特にいたずらっ子で、でんすけが来てから我が家のNG事項が増えました。ティッシュは出しっぱなしにしない、ゴミは蓋付きペールに捨てる、おもちゃにされたくない物は置いておかない。慣れたら特に不便はないです」
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思いもよらない行動の数々に驚かされながらも、飼い主さんは工夫を重ねることで共に快適に暮らす方法を見つけてきました。
保護猫たちには、それぞれの過去があります。だからこそ、ふとした瞬間に思いを馳せることもあるといいます。
「王子は保護当時、お腹にマンソン裂頭条虫がいました。マンソンはカエルや蛇を食べることで寄生します。王子、お腹が空いてたんだろうなと思います。また、アメ村にいたぐぅちゃんは、今でもどんな所で寝てたのかなと思います。でんすけのお母さんは、なぜでんすけを置いて行ったのかなと考えることもあります」
過去を知ることはできなくても、日々の変化から猫たちの気持ちを少しずつ読み取っていく—そんな丁寧な時間が積み重ねられています。
「でんすけは顔や姿は愛嬌たっぷりですが、用心深くてこちらから近づくと警戒します。だっこも嫌いです。ただ、月日と共に少しずつ警戒心も薄れて、本気で寝ている姿も撮らせてくれるようになりました。なでて欲しい時は足元に来てにゃーと鳴きます。甘え方を知らないから王子の様子をみながらちょっとずつ勉強中です」
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これからも続く穏やかな毎日を願って
現在、王子くんは15歳、ぐぅちゃんは5歳、でんすけくんは4歳になりました。年齢も出自も異なる3匹ですが、それぞれが家族として自分の居場所を見つけ、日々を共に重ねています。
「あれこれ想像しながら暖かい所で寝ている3匹を見ると、『うちの子になって良かったでしょ? 良かったよね!』って言葉が浮かびます。なにより私はこの子達から毎日癒しをもらい、そのおかげで頑張れています。この先もお互いストレスのないぐっすり眠れる生活を続けていきたいねと、そして出来る限り長生きしてねと思っています」
(まいどなニュース特約・梨木 香奈)