
冷暖房デバイスが付いたワークマンの「ペルチェベスト」をご存知でしょうか。発売から3シーズン目を迎える2025年は、ペルチェデバイスが3個から5個に増えたほか、付属のバッテリーを大幅にコンパクト化。本記事では、その着用感をレビューします。
●ワークマンで毎年人気のペルチェベスト
2023年、ワークマンは「ウィンドコア アイス×ヒーターペルチェベスト」という新アイテムを発売しました。商品名の由来となっている「ペルチェ素子」は、電極の入れ替えによって冷却と温熱の両機能を有するのが特徴です。
電源を入れると、アルミプレートを通じてすぐに冷たさや温かさが伝わるものの、初代モデルはペルチェデバイスが背中に1つあるのみだったため、効果はスポット的でした。とはいえ、当時としてはアルミプレートの面積は最大級であり、テスト販売のために用意した1万着があっという間に完売しました。
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翌2024年は、前身頃の左右に小さなペルチェデバイスを追加し、これに伴いバッテリー容量を1万mAhから2万mAhへと増やしました。さらに、5分稼働したあとに1分停止する「ゆらぎモード」を追加し、連続稼働時間の改善もしました。
デバイスが増えたことの効果は大きく、冷たさや温かさの伝わりやすさが初代よりも向上。一方、バッテリー容量が2倍になったことで着用時の重量バランスが悪化し、ベストの左側が常に下がるようになってしまいました。
しかし、初代から据え置き価格の1万9800円(税込み)は競合他社製品よりも圧倒的に安く、この2代目もすぐに売り切れとなりました。
●ペルチェデバイスは3個から5個へ
そして、満を持して今シーズン登場したのが、“着る冷凍庫”こと「ウィンドコア アイス×ヒーターペルチェベストPRO2」です。ペルチェデバイスはさらに増えて5個となり、バッテリーは2万mAhという容量をそのままにコンパクトなものへと変更されました。これだけ進化しながら価格は初代から変わっていません。
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これらの進化は、ミャンマーへの出張が多い社員からの強い要望も反映したとのことです。というのも、ミャンマーは日本よりも高温多湿なうえに停電が日常茶飯事で、エアコンが使えないこともしばしばとか。そんな環境下においては、ペルチェデバイスは2代目の3個でも足りないらしく、ついに5個採用となったそうです。
●着用した感想
ベストはフリーサイズですが、Sから5Lサイズまで幅広く対応します。具体的な対応胸囲は約80〜124cmです。なお、ビジネススーツの下に着用した際、ベストが外側に露出しないように、フロントのアジャスターは内側に隠せるようになっています。
見た目に3割ほど小さくなったバッテリーによって、左胸に感じていた異物感がだいぶ減りました。これは個人的にも非常にうれしいポイントです。
ペルチェデバイスが増えたことにより連続稼働時間は減ってしまいましたが、バッテリーは単体でも購入できるほか、手持ちのモバイルバッテリー(出力5V/3A以上)も使えるので、長時間使用する際は複数用意しておくことをおすすめします。
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●これで猛暑を乗り切れる
最新作は先代よりも明らかに冷却・温熱効果がアップしており、ペルチェデバイスを増やしたことは大正解だったと実感できます。ちなみに、デバイスの表面温度はアイスモードで最大約マイナス3度、ヒーターモードで約49度です。
アイスモードは消費電力が多いため、5個フル稼働の強モードに設定すると、バッテリーの残量がみるみる減っていきます。ですので、ある程度冷えてきたら背中3個モードなどに切り替えると良いでしょう。
●ベストの効果を高めるポイント
ペルチェベストの効果を最大限に高めるポイントは2つ。1つは、プレートからの熱が体へ伝わりやすいように、薄手のインナーの上に着用することです。
そしてもう1つは、通気性の良いアウターを着用することです。アイスモードではデバイスの裏面から熱が排出されるため、通気性の良くないアウターを組み合わせると、衣服内に排熱がこもってしまいます。メッシュ地を多用したジャケットや、ファン付きウエアを着用すると効果を最大限に引き出せます。
なお、オンラインストアでの予約販売はすでに終了していますが、4月下旬時点ではいくつかの店舗で在庫を確認できました。欲しい人はお早めに最寄りのワークマンへ足を運ばれることをおすすめします。