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最近、証券口座が第三者に不正利用されるという被害が相次いでいます。
これを受けて、日本証券業協会は5月2日、こうした被害への対応を強化するため、証券会社10社と協議を行い、一定の補償を行う方針で一致したと発表しました。
今年1月以降、複数の証券会社で不正アクセスによる取引が確認されており、こうした状況を重く見た日本証券業協会は、証券会社が本来の約款では補償対象外としていたケースについても、被害の急増を受けて業界全体で補償に踏み切ることを決めました。
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ただし、補償はすべてのケースで一律に行われるわけではなく、それぞれの事情に応じて個別に判断されることになります。たとえば、ログイン情報の管理状況や、証券会社による注意喚起の有無などが考慮されるとのこと。補償の具体的な内容や手続きについては、被害が発生している各証券会社が今後順次案内を行う予定です。
今回の協議に参加したのは、SMBC日興証券、SBI証券、大和証券、野村證券、松井証券、マネックス証券、みずほ証券、三菱UFJ eスマート証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、楽天証券の10社で、被害が確認されているのは2025年1月以降の取引です。
協会は、利用者に対してもあらためて注意を呼びかけています。証券会社が提供している多要素認証(ワンタイムパスワードなど)を必ず設定し、アクセス時は公式サイトをブックマークから開くようにし、メールやSMSに記載されたリンクはクリックしないよう強く求めています。また、身に覚えのない取引報告書が届いた場合は、すぐに証券会社に連絡するよう促しています。
協会では、現在発生している被害の原因を「フィッシング詐欺等」と説明しています。これは、フィッシングメールと呼ばれる偽のメールやSMSを使ってユーザーを偽サイトに誘導し、ログインIDやパスワードなどの個人情報を盗み取る手口です。
犯罪者はこうして得た情報を使い、正規の証券会社のサイトにアクセスして本人になりすまし、証券口座を不正に利用することで被害を発生させています。なお、今回は証券口座が標的となりましたが、同様の手口で銀行口座やクレジットカード情報が悪用されるケースも後を絶ちません。
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<参考>
日本証券業協会「フィッシング詐欺等による証券口座への不正アクセス等による対応について」
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