
期待と不安が入り混じる我が子の幼稚園入園。親にとっても「保護者会」など初めての体験が待ち受けています。特に、クラス役員や係決めなどが行われる4月最初の保護者会には、緊張感を抱えながら参加した人も多いでしょう。栃木県在住のSさん(20代)も、子どもの入園を機に保護者会に初参加。驚きの行動をとる保護者と出会いました。
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平等に割り振られる係
Sさんの子どもが入園した幼稚園では、すべての保護者に公平に係が割り当てられる仕組みです。4月最初の保護者会では、クラスごとに役員と係を決めます。役員・係の数はクラスの人数分あるため、誰もが何かしらの担当になる必要があります。
係の種類は、季節のイベントのサポートが中心で、「夏祭り係」「運動会係」「お遊戯会係」「家庭科係」「大掃除係」など。各係には複数の保護者が割り当てられ、希望者が手を挙げて決めていく形式です。Sさんは「運動会係」に最初手を挙げてみましたが、希望者が多かったため、「お遊戯会係」の担当に決まりました。
思わぬ主張をする保護者
順調に係が埋まり、残りもわずかというところで、Sさんはふと異様な光景を目にしました。1人の保護者が若そうな担任の先生を呼びつけ、こっそりと何かを話しています。
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その保護者はすでに定員に達している「お遊戯会係」を希望しており、残っていた「家庭科係」にはどうしてもなりたくないと訴えていたのです。
しばらくして、担任の先生は戸惑った表情を浮かべながら、全体に向かってこう呼びかけました。
「お遊戯会係にご希望の方がいらっしゃるのですが、どなたか他の係に移動していただける方はいませんか?」
その場にいた保護者たちは一瞬静まり返りました。
「なぜ最初に希望を出さなかったのか」「なぜこの人の希望だけが通るのか」…そんな疑問が頭をよぎります。しかし若い先生には強く言えない様子が、沈黙の空気からも伝わってきました。
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「家庭科係はできません」
最後まで枠が残っていた「家庭科係」は、お遊戯会の衣装づくりや、園で使う雑巾作りなどが主な内容です。先生はあらためて作業について説明を始めました。
「家庭科係ですが、家にミシンがなくても、家庭科が苦手でも、誰でもできる内容になっています。お遊戯会の衣装は例年使われている衣装にボタンをつけたり、接着剤で装飾するだけです。雑巾も手縫いでも構いません。タオルも園から支給しますので、古くなった布を用意いただいたり、わざわざ購入いただく必要はありません」
そして、お遊戯会係を希望している保護者に近づき、こう声をかけました。
「…すみません、家庭科係の内容はそんなに難しくないんです。…ご協力いただけないでしょうか?」
しかしそれでもその保護者は、「できません」と言い張ります。Sさんは「特別な事情があるなら説明してくれてもいいのに」と感じました。
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結局、Sさんが移動することに
会場には沈黙が流れ、先生は困り果てた表情を浮かべています。誰も納得していない空気の中、時間だけが過ぎていきました。
その場にいたたまれなくなったSさんは、「家庭科係に移ります」と申し出ました。するとその保護者は当然のように「お遊戯会係」に決まり、保護者会はそのまま終了しました。
「誰かが折れないと終わらないし…」とSさんは思い、ほかの保護者たちから「係を譲ってくれてありがとう」と声をかけられながら、その場をあとにしました。
あいさつもお礼もない相手に驚き
本来なら、係を譲ってもらった側が「ありがとう」とひと言あってもよさそうなもの。しかし、その保護者は保護者会が終わっても、後日顔を合わせても、一度もお礼の言葉を口にすることはありませんでした。会釈さえもなかったのです。
「お礼が欲しかったわけじゃないけど」と自分に言い聞かせていたSさん。ある日この話を友人にすると、さらに驚く事実を耳にします。
「え? その人、うちのマンションの住人だよ。しかも夫婦そろって、ある意味有名人」
なんと、その保護者は友人と同じマンションに住んでいることが判明しました。さらに、その夫婦はマンションやエレベーターで誰かと乗り合わせても、一切あいさつをしないことで有名なのだそうです。
なるほど、そういう人だったのか…Sさんは決意しました。「もう二度と、この人とは関わらないようにしよう」
◇ ◇
幼稚園や学校の係決めは、誰かの強引な主張が通ってしまうと、周囲にモヤモヤが残る結果になりかねません。みなさんは納得がいかなかったことはありますか?
▼愛知県・40代
中学校のPTA役員決めで、クラス役員だけがどうしても決まらず、沈黙が続きました。「誰かがやらなきゃ終わらないから」と居たたまれず引き受けたものの、他の保護者が無関心すぎて断れなかったことにモヤモヤが残っています。
▼栃木県・20代
幼稚園ではなぜか「指名制」で役員が決まる仕組みでした。いつも同じ人が選ばれ、ほかの保護者の意見が反映される余地がない雰囲気。特に役員をやりたいわけではなかったのに、閉鎖的な空気にいまだに納得がいきません。
▼東京都・40代
PTA役員決めでは「立候補がいなければくじ引き」という流れが恒例です。保護者会の欠席者も多く、最終的には欠席者の名前でくじを引くことに。当たったのは全員「欠席者」で、「このままで大丈夫なのかな」と不安になりましたが、代わりにやってくれる人もいないため、結局はそのままになっています。
(まいどなニュース特約・松波 穂乃圭)
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