寒空の下、排泄物まみれで鳴いていた小さな小さな子猫 弱り切って食べる気力も…「命の瀬戸際」を救った飼い主に訪れた思いがけない幸せ

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2025年05月03日 18:10  まいどなニュース

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立派なイケニャンに成長したバビくん(画像提供:キジトラのバビさん)

2023年5月、冷え込んだある晩に出会いが訪れました。

【写真】ひとりぼっちで排泄物まみれ…緊急保護した当日の様子

​Xユーザー・キジトラのバビさん(@babitan0508)のパートナーが発見したのは、ひとりぼっちで鳴いていた小さな子猫「バビ」くん。​保護当時、生後推定1カ月ほどで、体は排泄物にまみれ、衰弱しきっていたといいます。

「保護した日は5月8日の夜でしたが、とても寒い日だったのを覚えています。1匹でニャーニャー鳴いているところを夫が保護してくれました。体中、排泄物で汚れており、とても弱っていました」

夜間だったためすぐに病院へ連れて行くことはできず、飼い主さんはペット用シートと子猫用のごはんを購入し、できる限りの看病を始めました。

「何をすればよいかがわからなかったので、とりあえず、急いで体を拭くペット用シートと子猫用のごはんを購入して与えましたが、最初は食べる気力すらなかったです」

獣医師に電話で相談したところ、「まずは保温を徹底するように」とアドバイスを受け、暖かい環境を整えたといいます。

「病院の先生からは、とにかく保温をするように、と言われました。言われた通りに保温を続けているうちに、少しずつ元気になっていき、自分からご飯を食べてくれるようになりました。翌日すぐに動物病院に連れていき、正式にうちの子としてお迎えすることになりました」

保護当初は、下半身に排泄物がこびりついたまま動くこともままならず、まさに命の瀬戸際。それでも一晩で体力を取り戻し、生きようとする力を見せてくれたバビくんの姿は、飼い主さんにとって忘れられない原点となっています。

はじめての猫との暮らしで知った、試行錯誤と小さな発見

猫との生活に慣れていなかった飼い主さんにとって、日々は新鮮で、時に手探りの連続でした。もっとも印象的だったのが、夜中に活発に動き出す“夜の運動会”でした。

「猫についての知識があまりなかったこともあり、困ったことはいくつかあります。その中でも大きかったのが、噛み癖と夜の運動会、でした」

想像もしなかった夜の騒がしさに、驚きと寝不足が重なったといいます。けれども工夫を重ね、少しずつリズムを整えていきました。

「猫が夜に走り回るなんて知らなかったので、最初は驚きましたし、寝不足にもなりました。しかし、寝る前に遊ぶ時間を多めに取るようにして、日中も空いている時間があれば遊ぶようにしたところ、夜の運動会は改善されていきました」

噛み癖に関しては、特別な対策を講じることなく自然と収まっていったそうです。

「特に対策などはしていませんが、成長するにつれてしなくなりました」

活発で甘えん坊、バビくんらしさに満ちた日常

元気いっぱいなバビくんは、運動能力も高く、家じゅうを駆け回る姿に日々驚かされているといいます。

「普段の性格は、キジトラらしく活発でヤンチャです。特に、遊ぶときは高くジャンプしたり、すごいスピードで走り回るのでいつも感心してます(笑)」

そんな一方で、飼い主さんのあとをついて歩く“ストーカー気質”な一面も持ち合わせています。

「部屋を移動したり、風呂やトイレに行くと、必ずドアの前まで付いてきます。出るのが遅ければ、ニャーニャー鳴いて、早く出てきてよ、と催促されます」

昼間はつれない態度を見せることもあるものの、夜にはそっと足元に寄り添ってくる―そんなささやかな習慣が、飼い主さんにとって何よりの癒しになっているそうです。

「こういった甘えん坊なところが可愛くて大好きです。寝る時も毎回私の足元で寝てくれて、私が横になるとすぐにやってきてくれます。普段はそっけない態度を取られますが、甘えてくれる瞬間はたまらなく嬉しいです」

少しずつ育まれた信頼、変化していった暮らしのかたち

バビくんは現在2歳。お迎えしたばかりのころは、近づくだけで警戒され、ごはんの時間でさえ唸られることがあったといいます。

「お迎え当時はもちろん、後追いなんてしてくれなかったし、シャーをされることもありました。ご飯の時も、特に何もしていないのに本人は取られると思っているのか、近くにいるだけで、ウーウーと唸られました」

それでも、日々の積み重ねが信頼を築き、今では呼べば来てくれる存在になりました。そして、飼い主さん夫婦の生活は、すっかりバビくん中心の生活になったといいます。

「改めて、振り返ってみると『バビはだんだんと心を開いてくれたんだな』としみじみ思います。一緒に暮らすようになってから、私たちの暮らしは大きく変わりました。以前は、夫と気軽に旅行に行ったり、長時間外出したりすることもありましたが今はほとんどなくなりましたね」

バビくんと過ごす時間が増えたことは、生活にも心にも良い影響をもたらしていると語ります。

「バビと離れることがそもそも心配で耐えられないし、旅行や無駄な外出が減るのでかえって貯金などができるようになったかなと思います。そして一番大きいのは、バビがいるおかげで毎日癒しと幸せを貰えます。今ではもう、バビなしの生活なんて考えられないし、バビと一緒に暮らすことができて心から良かったと思えます」

(まいどなニュース特約・梨木 香奈)

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  • 鳴いてても放っとくのが”自然淘汰”。拾った方が生物学の素養がないひとには美談には聞こえるけど。気にしたら保護したくなるから放っとかないとね。
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