<バスケットボールBリーグ1部(B1):宇都宮91−62越谷>◇3日◇第36節◇日環アリーナ栃木
宇都宮ブレックスがベテラン陣の活躍で再び勝率全体1位に立った。
試合開始から2分37秒、遠藤祐亮(35)の最初のシュート(3点)が入ると、ブレックスベンチと会場が大きく沸き上がる。ここから一気にギアが入った。渡邉裕規(37)が2本の3点シュートを決めるなど、3試合ぶりに第1クオーター(Q)をリード(24−14)して終えた。エンジンのかかりが遅く、フラストレーションのたまる展開が続いていたが、生え抜きのベテラン2人がムードを一変させた。
「ここ3試合の反省を生かして、良い出足になったと思う。守備からリズムを作れたし、今日は自分たちのバスケを40分間、続けることができた」
遠藤が振り返る。自身も最近3試合は得点ゼロ。代名詞の3点シュートは5本打って1本も入っていなかった。
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「先週は何をしてもうまくいかなかった。ダラダラした入りになってしまったし、自分を変えないといけないと思った」。パスを回し、オープンシュートの機会をたくさんつくるブレックスのバスケでは、シューター遠藤のシュートでリズムが生まれることが多い。その遠藤が自信を失ったままでは、チャンピオンシップ(CS)に暗雲が漂うところだった。
「自分らしく楽しみながら思い切ってシュートを打つ。新たな気持ちで臨んだ」。後半のスタートも遠藤の3点シュートから。遠藤はこの日3点シュートを3本狙って、3本とも成功させた。「ほかの選手が上り調子なのに自分はチームに貢献できていない自覚があった。やっと入ってくれたなと思います」。遠藤の復調はチームにとって大きい。
そして渡邉だ。合計4本の3点シュートとフリースロー6本決めるなど、チーム最多の20得点。20点以上マークしたのは2019年12月8日の名古屋D戦以来、6年ぶりの「大型ナベタイム」だった。
「先週、CSに響くような試合をしてしまっていたから、CSの1発目につながるような試合をしたかった。出だしのところはまだまだ修正が必要だけど、全体的にはいいバスケができた」。今季は大きなケガを2回してしまい、出場は16試合に止まるが、シーズン終盤になってようやく本領を発揮だ。
4日のレギュラーシーズン最終戦に勝ち、勝率全体1位をキープすれば、昨季CS初戦で敗れた因縁の千葉ジェッツとセミファイナルであたる可能性がある。昨季の悔しさを誰よりも口にしていた渡邉は言う。「CSでは震え上がりながら昨季の借りを返さないといけない」。今季こそ負けられないという重圧に身もだえながらも、CSを勝ち上がっていくには、やはりベテランの力が必要だ。【沢田啓太郎】
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