【バレー】誹謗中傷で悩み抜いた1週間…覚悟を決めたサントリー大宅真樹、3時間半激闘制しV王手

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2025年05月04日 05:02  日刊スポーツ

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サントリー対愛知 第4セット、得点後ハイタッチをして喜ぶサントリー大宅(左)ら(撮影・山本朝陽)

<バレーボール大同生命SVリーグ男子:サントリー3−2愛知>◇プレーオフ決勝◇第1戦◇3日◇有明アリーナ



レギュラーシーズン(RS)2位のサントリーが、劇的勝利で初代王座へ王手を懸けた。2戦先勝方式の決勝第1戦で同4位の愛知にセットカウント0−2と追い込まれながらも、第3セットから執念の3連取でフルセット勝ち。約3時間半の激闘をものにした。セッター大宅真樹(30)が巧みなトスワークで強力攻撃陣をけん引。ファンの声援を力に変えた。第2戦は中1日の5日、千葉・LaLa arena TOKYO−BAYで行われる。


   ◇   ◇   ◇


時計の針は午後3時半を回っていた。正午過ぎに始まった愛知との一戦。最終第5セット、ジュースに次ぐジュースで、得点の表示は25−24を示していた。「苦しかったけど、最後の1点まで何が起きるかわからない」とセッター大宅。集中力を切らさなかった。ムセルスキーのブロックで勝負が決すると、誰よりも派手に拳を突き上げた。準決勝でリーグ首位の大阪Bを2連破で退け、勢いに乗る相手からの先勝。「最高の形で最終戦へ迎える」と歓喜の瞬間をかみしめた。


悩み抜いた1週間だった。先月27日の名古屋との準決勝第3戦。勝利で決勝進出を決めたが、試合最終盤の判定に批判が殺到。サントリーにも余波が広がり、大宅の元にも誹謗(ひぼう)中傷のメッセージが届いた。「長いリーグ戦を勝ち上がって、セミファイナルもバレー人生をかけて戦った。それなのにこういった仕打ちを向けられて…」と一時は情熱も低下。「勝っちゃいけないのかなって」と思い悩まされた。それでも、藤中主将の「(決勝は)僕らの力で勝ち取ったもの」という声を中心に、仲間たちと再び結束。覚悟を決めて有明に立った。


計11度のマッチポイントを握られたこの日、背中を押したのはファンからの声だった。「いろいろあったけど、全力で応援してくれるファンがいた。本当に勇気になった。サンバーズのファンも負けていなかった」。支えられていると再確認した。「もっともっと信じて後押しして欲しい」。前身のVリーグからの連覇、そしてSVリーグ初代王者へ、大宅が1つにする。【勝部晃多】


○…敗れた愛知のゴゴール監督は、大激戦を演じた両チームに拍手を送った。「日本のリーグ戦の歴史で最も素晴らしい試合だった」とうなずいた。第5セットの18−17の場面では、高橋健のブロックで勝利が決まったかと思われたが、チャレンジの末にタッチネットで判定が覆った。「チャレンジシステムが違いとなった」と悔しがりながらも、「乗り越えられるチームだと思う」と逆襲を期した。

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