ゴビ砂漠で新種の化石恐竜発見=ティラノサウルスと似た進化―北大

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2025年05月04日 15:01  時事通信社

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モンゴル・ゴビ砂漠で発見された化石から判明したテリジノサウルス類の新種恐竜「デュオニクス・ツクトバアタリ」の復元図(服部雅人氏提供)
 北海道大総合博物館の小林快次教授らの研究チームは、モンゴル・ゴビ砂漠で2012年に発見された恐竜の化石が、大きな爪が特徴のテリジノサウルス類の新種だったと発表した。本来なら3本ある前足の指が2本しかなく、大型肉食動物のティラノサウルスと似た進化の過程をたどったとみられる。論文は米科学誌の電子版に掲載された。

 テリジノサウルスは、白亜紀(約1億4500万〜6600万年前)にアジアや北アメリカに生息していた恐竜で、主に植物を食べていたと考えられている。ナマケモノのような前足の大きなかぎ爪などが特徴で、北海道中川町でも化石が発見されている。

 研究チームによると、ゴビ砂漠で発見された化石の個体は体長約3メートル、体重約260キロ。白亜紀後期(約9500万〜8960万年前)に生息し、背骨部分の化石の状況から成長途中の若い個体とみられる。

 これまでに発見されたテリジノサウルス類の前足は3本指だが、この化石の前足には指が2本しかなかった。分析を進めたところ新種と判明し、進化の過程で2本指に減少したことが分かったという。ティラノサウルスも進化の過程で前足の指が3本から2本に減少しているが、研究グループは進化の背景は異なるとしている。

 今回発見された新種は、ギリシャ語の「二つの爪」を意味する言葉とモンゴルの研究者の名前を組み合わせ、「デュオニクス・ツクトバアタリ」と命名した。研究チームは「進化の詳細な過程を解明する重要な手掛かりになる」としている。 

テリジノサウルス類の新種恐竜「デュオニクス・ツクトバアタリ」の発見された化石と復元骨格(北海道大提供)
テリジノサウルス類の新種恐竜「デュオニクス・ツクトバアタリ」の発見された化石と復元骨格(北海道大提供)

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