『宮中晩さん会』で注目の愛子さま&佳子さま、ゆかりの地“ブラジル訪問”で期待される振る舞い

0

2025年05月04日 21:00  週刊女性PRIME

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

週刊女性PRIME

日本テニス協会名誉総裁として、女子テニス国別対抗戦「ビリー・ジーン・キング・カップ」を観戦に訪れた佳子さま(2025年4月13日)

「顧みれば、1982年、私の最初の海外公式訪問国はブラジルでした。当時のフィゲイレード大統領をはじめ、ブラジルの皆さんから温かい歓迎を受けたことをよく覚えております。それとともに、貴国の国土の広さ、多様性、そして人々の明るさが強く印象に残っています。2008年、日本人ブラジル移住100周年にあたり、私は再び貴国を訪問いたしました。

(中略)ブラジルを訪問した際には、初期の日本人移住者の皆さんの手作りの道具類や資料を目にし、移住された皆さんが、さまざまなご苦労を乗り越えながら努力を重ねられたことを感じました。祖国日本を遠く離れ、ブラジルに移住された方々とその子孫である日系人の方々は、ブラジル社会の発展にも大切な一員として貢献してこられました。その背景には、日本人移住者を温かく迎え入れてきたブラジル政府、そしてブラジル国民の皆さんのご厚意があったことを忘れることはできません」

佳子さまと両親の秋篠宮ご夫妻ら出席の宮中晩さん会

 国賓として来日したブラジルのルラ大統領夫妻を歓迎する宮中晩さん会が、3月25日夜、皇居・宮殿の「豊明殿」で開かれた。コロナ禍を経て、宮中晩さん会が開かれるのは約6年ぶりのことだ。

 佳子さまと両親の秋篠宮ご夫妻ら皇族方、それに、プロサッカー選手の三浦知良さんや歌手のマルシアさんなど、ブラジルにゆかりのある著名人らも出席した晩さん会で、天皇陛下は前述したような歓迎の挨拶を述べた。

 ブラジル側からの要望でドレスコードは「平服」となり、佳子さまは、水色のセットアップ姿だった。アクセサリーは、パールなどをあしらったネックレス、胸元にはパールとシルバーのこまやかな細工のブローチを着用した。また、宮中晩さん会に初めて出席した愛子さまは、春らしい淡いピンク色の装いだった。愛子さまと佳子さまは離れた場所に着席したが、“アイカコ”ペアと呼ばれるなど注目を浴び、メディアで大きく報道された。

 日本を離れる前に記者会見したルラ大統領は、「これまで何度も日本を訪問しているが、今回が最も重要なものだった」と述べた。さらに、「天皇、皇后両陛下のお時間をいただいた。非常に有意義で、私にとって、人としてのぬくもりが感じられる天皇陛下のお言葉の中に本当に心にしみるものがあった」と、語ったなどと報じられた。

 佳子さまは、今年6月上旬にブラジルを公式訪問する。今年は、日本とブラジルの外交関係樹立130周年にあたり、ブラジル政府から招待があったもので、約2週間の予定で、首都ブラジリアなど複数の都市を訪れるらしい。

 宮中晩さん会の挨拶にあるように天皇陛下は'82年、自身初めての海外公式訪問でブラジルを訪れている。そして、陛下は、オックスフォード大学マートン校に留学するため、翌'83年6月末から'85年10月初めまでの2年4か月、イギリスに滞在した。留学を前にして記者会見が行われ、『新天皇家の自画像』(文春文庫)によると陛下は、「この修学が自分にとって新しい青春の1ページとなるよう有意義に送りたいと思っています」などと抱負を語っている。

 そして、'88年6月、今度は秋篠宮さまが、日本人のブラジル移住80周年の節目にブラジルを訪れている。秋篠宮さまにとっても初めての外国公式訪問だった。秋篠宮さまは、

「ブラジルという国には小さいころから興味がありました。発展しつつあるブラジルを目の当たりにし、日系社会の皆さんとじかに接することができることを意義深く思います。(中略)広大な土地を持ち、いろいろな国から移住者を受け入れているわけで、移住者が風土と社会に順応していく寛容な国ではないかと思います」

 などと、記者会見で答えた。

10年前にブラジルを公式訪問の秋篠宮ご夫妻

 そして、今から10年前の'15年秋、秋篠宮ご夫妻は外交関係樹立120周年にあたり、ブラジルを公式訪問している。10月27日に日本を出発し、11月10日、帰国した。現地では大統領を表敬訪問し、記念式典や記念行事に出席。また、日系代表者と懇談し、ブラジル日本移民史料館を視察するなどして帰国したが、ご夫妻は次のような印象を発表している。

《文仁にとっては初の海外公式訪問となった1988年の日本人ブラジル移住80周年のとき以来27年ぶり、紀子は初めての訪問となりました。(中略)多くの日系の方々と話をしていると(中略)私たちが日々の暮らしの中であまり意識していない「日本」を感じることがたびたびにありました。そして、遠く離れたこの地において、自分たち、もしくは両親・祖父母の世代の故郷の記憶が残り、継承されていることに改めて気づきました。

 また、日系の若い世代の人たちと話をする機会をもつこともできました。日本とブラジルとの良好な関係が、今後も続き、さらに増進していく上で、次世代の人々が、両国の架け橋となってくれることが極めて大切なことだと思います》

 そして、ご夫妻は、《これからも永く私たちの記憶に残るもの》として、酸性土壌で不毛地帯といわれたセラードを一大農業地帯へと改良した日伯共同プロジェクトや環境先進都市で、パラナマツが独特の景観をつくり出しているパラナ州の州都クリチーバ、アマゾン川やその流域の人たちの暮らしがよく表れているベレンの市場、それに、ブラジルが誇る世界屈指の湿原であるパンタナールとそこに暮らす牧童たちの文化や貴重な生態系などを挙げている。

 このようにブラジルは、天皇陛下や秋篠宮さまにとって思い出に残る国であり、皇室とは密接な関係にある。佳子さまの外国公式訪問は、昨年のギリシャに続き4回目となる。

 まじめで努力家の佳子さまは、どの国でも訪れる前に、その国の歴史や伝統、文化、言語、それに人々の暮らしぶりなどを一生懸命に勉強している。おそらく、今頃は専門家などからのレクチャーもかなり進みブラジルについて詳しく学ぶことで、訪問への自信を深めているはずだ。現地では、手話を通じた交流も楽しみだ。何より、佳子さまの優しい微笑みが多くのブラジルの人たちを魅了することだろう。

<文/江森敬治>

えもり・けいじ 1956年生まれ。1980年、毎日新聞社に入社。社会部宮内庁担当記者、編集委員などを経て退社後、現在はジャーナリスト。著書に2025年4月刊行の『悠仁さま』(講談社)、『秋篠宮』(小学館)など

    前日のランキングへ

    ニュース設定