19年覇者アドマイヤマーズ(撮影:下野雄規) 5月11日(日)に東京競馬場で行われるNHKマイルカップ(3歳牡牝・GI・芝1600m)。創設当初は「マル外ダービー」とも称され、実際に第1回は18頭中14頭が外国産馬だったが、現在では将来の短距離・マイル王を目指す3歳馬が集う一戦となっている。今年は2歳GI馬アドマイヤズーム、前哨戦を制したランスオブカオス、イミグラントソングなど22頭がエントリーした。本稿では同レースの開催にあたり、歴代勝ち時計をランキング形式で紹介する。
■5位 1分32秒4
2009年 ジョーカプチーノ
2019年 アドマイヤマーズ
2024年 ジャンタルマンタル
5位は3レースが並ぶ。ジョーカプチーノは5戦目から芝路線に転じ、クロッカスSは7着だったが、萌黄賞、ファルコンSと連勝。前哨戦のニュージーランドTで3着に敗れていたことから、本番では10番人気まで評価を落としていたが、藤岡康太騎手を背にGI初制覇を飾った。アドマイヤマーズは新馬から朝日杯FSまで4連勝。明け3歳は共同通信杯3着、皐月賞4着となり、NHKマイルCで距離を縮め、半馬身差で2つ目のGIタイトルを手にした。最後にジャンタルマンタルは皐月賞でも3着に健闘したが、距離適性を考えてマイルにシフト。陣営の判断が実り、2馬身半差の素晴らしい勝ちっぷりをみせた。
■4位 1分32秒3
2017年 アエロリット
2022年 ダノンスコーピオン
17年覇者のアエロリットは新馬勝ちのあと、サフラン賞、フェアリーS、クイーンCと3戦連続2着。さらに桜花賞で5着と、善戦が続くも重賞タイトルに手が届かずいた。人気が割れ加減で大混戦となったNHKマイルCでは、2番手からしぶとく抜け出し快勝。1勝馬が同レースを制すのは史上初の出来事だった。22年のダノンスコーピオンは、明け初戦の共同通信杯で7着に敗れ、クラシックではなくマイル路線を選択。4番人気でレースを迎えると、8枠18番の決して有利とはいえない枠順を克服し、大接戦を制してビッグタイトルを手にした。
■3位 1分32秒2 2011年 グランプリボス
デビュー勝ちのあと、デイリー杯2歳Sは7着に敗れたものの、京王杯2歳Sと朝日杯FSを連勝して最優秀2歳牡馬に選出される。3歳初戦はスプリングSに出走したが、4着となり再びマイルの舞台へ。ニュージーランドTでは3着だったが、NHKマイルCでは1番人気に推された。道中は馬群の5、6番手で脚を溜め、直線で進路を確保すると末脚爆発。坂を上がりきってからの勢いは特に素晴らしく、粘るフォーエバーマークやエイシンオスマンを一気に飲み込んだ。最後は最後方から追ってきたコティリオンを1馬身半差で退け、2度目のGI制覇を成し遂げた。
■2位 1分31秒6 2021年 シュネルマイスター
9月の2歳新馬、12月のひいらぎ賞を連勝。続く弥生賞でも2着に入り、皐月賞の優先出走権を手にしたが、陣営はマイルGIへの挑戦を選んだ。レースでは2歳王者グレナディアガーズと支持を分け合い、2番人気に推される。道中は9番手あたりで脚を溜め、直線では馬群の大外へ。ソングラインがグレナディアガーズをとらえ抜け出しを図ったが、シュネルマイスターがその背後から猛追。最後は2頭がほとんど並んでゴールしたが、写真判定の結果、シュネルマイスターに軍配が上がった。3頭出走していたサンデーレーシングの所有馬で上位独占となった。
■1位 1分31秒4 2010年 ダノンシャンティ
秋の京都でデビュー戦を白星で飾り、ラジオNIKKEI杯2歳Sで3着、年が明けて共同通信杯でも2着に健闘。毎日杯で初タイトルをつかむと、200m距離を短縮してNHKマイルCに駒を進めた。1番人気に支持されたダノンシャンティは、道中16番手の後方に位置。レースは半マイル44.8秒の猛烈なハイペースとなり、おあつらえ向きの流れとなった。直線で馬場中央に持ち出されると、内に切れ込みながら上がり最速の末脚で各馬をごぼう抜き。最後はダイワバーバリアンに1馬身半差を付けて快勝した。勝ちタイムの1分31秒4は当時の日本レコードを0.1秒塗り替えた。