写真【今日のにゃんこタイム〜○○さん家の猫がかわいすぎる Vol.173】
あどけない姿から一変し、ハッとさせられるほどの美猫さんに成長したのは、元保護猫のテトちゃん。
飼い主さん(@UluqtUAiqquzpb9)は山に捨てられていたテトちゃんを迎え、10数年ぶりに猫がいる暮らしを楽しみ始めました。
◆姉妹猫たちと山に捨てられていた保護猫をお迎え
テトちゃんが保護されたのは、2024年8月。お盆の時期、テトちゃんを含めた姉妹猫6匹は箱に入れられた状態で山に遺棄されていました。
保護時、子猫たちはみんな目が開いていたそう。保護主さんのもとでたくさんミルクを飲み、みんなで大きくなりました。
保護から3週間ほど経った2024年9月、飼い主さんは旦那さんが通う床屋の紹介でテトちゃんを知り、初対面。
「当時のテトはガリガリ。抱っこをすると、とても軽かったです」
飼い主さんは、テトちゃんを譲り受けることに。我が家の幸運の女神になってほしいと思い、エジプト神話に登場する猫の女神「バステト」から名前をもらい、「テト」と命名。お迎え当初は体力がつく食事を心がけながら、1か月以上、猫風邪の治療に励みました。
◆肝を冷やした“尻尾の怪我”を乗り越えてお転婆にゃんこに
猫風邪が落ち着いた後は、思わぬ怪我で肝を冷やしました。留守中、テトちゃんは自分で尻尾の先端を噛みちぎってしまったのです。部屋は血だらけ。尻尾の先端は骨が見える状態でした。
幸い、痛がる様子や出血は見られなかったそう。元気や食欲はあり、おしっこも普通にできたため、飼い主さんは夜が明けるのを待って翌日、朝イチで動物病院へ。尻尾はその後、無事に再生されました。
体が大きくなると、レースカーテンに飛びかかったり椅子で爪を研いだりと、無邪気な姿をたくさんみせてくれるように。お迎え当初から“人たらし”だったテトちゃんは家族をどこまでも後追いし、みんなの笑顔を引き出すようにもなりました。
成長の過程で悪戦苦闘したのは、生後5か月ほどで来た早めの発情期への対処でした。避妊手術までの間、テトちゃんは鳴きながら夜を明かすようになったのです。
「人間は寝不足になり、テトは鳴いてばかりで、とても可哀想でした。いつもとは違い、その時は主人や息子にベッタリ。息子のズボンや私の羽毛布団におしっこをしていました」
そうした日々も乗り越え、テトちゃんは大人レディに。不機嫌な人がいると別室へ逃げるなど、空気を読む力も身に着けました。
ただ、お気に入りのぬいぐるみやおもちゃを運んで「遊んで」とアピールする子猫らしさは健在。飼い主さんがぬいぐるみを投げると、走って追いかけ、持ってきてくれます。
「ちょっと運動音痴なので段差で踏み外すことも多いのですが、本ニャンは『踏み外してませんけど』って顔をする。それも、すごくかわいです」
テトは癒しをくれる、かわいい娘。そう感じている飼い主さんはテトちゃんと暮らすようになってから、自宅にいる時間が増えたそう。
「仕事が終われば、すぐ帰宅。休日も予定が済み次第、すぐ帰ります。あと、テトが拾い食いしないよう、常に掃除をするようにもなりました」
また、テトちゃんの生い立ちを踏まえて、外猫に想いを馳せることも。
「保護しなければいけない猫がいなくなり、みんなが幸せになれる世の中になってほしいです」
偉大な名前に負けず劣らず、飼い主さんに幸運を運ぶテトちゃん。これからも崇め、称えられる女神として家族から大切にされていくことでしょう。
<取材・文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香>
【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291