
この春、主任に昇進し部下を持つことになったAさんは、持ち前の真面目さで指導に力を入れていました。なかでも新入社員のBさんは、入社当初から明るく積極的だったこともありAさんも大きな期待を寄せています。
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しかし、ゴールデンウイークの休暇を終え出社してきたBさんは、休暇前と一変していました。以前のようなハツラツとした雰囲気は消え、朝礼での返事もか細くパソコンに向かう背中には覇気が感じられません。話しかけても上の空といった感じで、時折深い溜息をついているのが聞こえてきます。
これが俗にいう「五月病」というものなのかもしれません。Aさん自身はこれまでそういった経験を踏んでこなかったため、Bさんにどう声をかけ、どう接すれば良いのか、見当がつきません。
五月病かもしれない不調を抱える新入社員に、Aさんはどう向き合えばいいのでしょうか。社会保険労務士法人こころ社労士事務所の香川昌彦さんに聞きました。
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ー五月病に陥る社員は一定数いるのでしょうか?
以前はゴールデンウィーク明けに不調をきたし、数日休むといった、いわゆる「五月病」の社員は一定数見られました。現在はピーク時と比べると減少している印象を持っています。これは五月病として表面化する前に、「この会社は合わない」と判断して早期に退職してしまう若者が増えている背景があります。
とはいえ、今でもBさんのように明らかに元気がなくなる部下は存在します。長期化する前に退職に至ってしまう可能性が高まっていると考えると、早めに手を打つ必要があるでしょう。
ーどのようなことが原因だと思われますか?
一概にこれが原因というものはありません。ただ、学生から社会人への環境の劇的な変化に伴う大きな心理的ストレスが要因のひとつだと考えます。生活リズムの変化や仕事内容の変化と責任、人間関係などのストレスが重なり、いわゆる適応障害に近い状態になるのだと見ています。入社当初に意欲的で真面目なタイプほど、学生と社会人とのギャップに苦しみやすい傾向にあると感じます。
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ー企業が実施すべき対策とはどのようなものでしょうか
4月からいきなりフル稼働させるのではなく、研修期間をしっかり設け、徐々に仕事や環境に慣らしていくといいでしょう。メンター制度を採用するなどして、新入社員が本音を言い出せる相手を増やすのも効果的です。
口頭でのコミュニケーションが苦手な社員に対しては、 日報や週報といった文字ベースのコミュニケーションもおすすめです。EAP(従業員支援プログラム)のような、社外のカウンセリングサービスを導入する企業も増えています。
いずれにせよ「最近の若者は打たれ弱い」などと判断せず、新入社員が安心して働ける環境を整えることが重要です。
◆香川昌彦(かがわ・まさひこ)社会保険労務士 大阪府茨木市を拠点に「良い職場環境作りの専門家」として活動。ラーメン愛好家としても知られ、「#ラーメン社労士」での投稿が人気。
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(まいどなニュース特約・長澤 芳子)
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