「嫌だ、お金払いたくない」1年半で250万円貯めたけど…“お金使えない症候群”に 食費月1万2000円、心削りながらの節約生活に反響【漫画】

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2025年05月07日 07:40  まいどなニュース

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超節約生活による強迫観念に悩まされる作者の小日向えぴこさん ©️小日向えぴこ/はちみつコミックエッセイ

人生のなかで「お金との付き合い方」を考えることは重要なことです。会社員かつ副業漫画家の小日向えぴこさんによる『貯金オタク、5000円の石けんで目覚める。金は生きてるうちに使い切れコミックエッセイ』は、小日向さんが人生の不安から超節約生活を始め、1年半で250万を貯金した様子が描かれたコミックエッセイです。X(旧Twitter)に第2話がポストされると、3500以上の「いいね」が寄せられています。

【漫画】「貯金沼にハマって1年半で250万貯めたけど…」全編を読む

「一回本気で貯金してみよう」と決心した小日向さんは、「貯金目標を決める」「先取り貯蓄をして出費を削る」「家計簿をつける」「毎月振り返りをする」を徹底していました。

しかし、予定外の出費が発生することもあり、そんな時は仕方なく交際費を削ることに。例えば職場の先輩に送るプレゼントの予算を下げるなどしていましたが、「ケチると心がゆっくり死んでいく気がする…」と精神にダメージを負うのでした。

その後もお昼は同僚に誘われても手作りのお弁当、外食せずに自炊を繰り返し、毎月の食費を1万2000円に収めていました。息抜きとしてはテレビゲームを中古で購入し、遊び終わったらフリマアプリで売ったり、定額の動画配信サービスで好きなアニメを視聴したりして過ごす小日向さん。

他にも資格の勉強や散歩デート、カフェ巡りなどしてプライベートを充実させていたものの、コンスタントに目標額を貯められるわけでもなく、毎月の貯金額を確認しては一喜一憂していました。

そういった暮らしをしているうちに小日向さんは、買い物などで支払いをする際に「嫌だ…払いたくない」と思うように。お金を使うたびに「無駄遣いだったかも」「足りなくなったらどうしよう」という強迫観念に襲われ、自分が削られていく感覚になります。

不安になった時は貯金額を確認して心を落ち着かせ、いろいろなものを犠牲にしながらも1年半で250万円を貯めた小日向さん。その後、結婚、妊娠と出産を経験した小日向さんは、コロナ禍で子育てをすることになり、第2の貯金ライフを始めるのでした。

読者からは「ここまで切り詰められるのは本当にすごい」「メンタルが強くて感心」などの声が。そこで小日向さんに、同作を描いたきっかけについて話を聞きました。

―同作を描いたきっかけを教えてください。

もともと育児漫画を描いていたのですが、自分自身の体験をベースに描く「コミックエッセイ」というジャンルがあることを知り、挑戦してみたいと思っていました。そこで、はちみつコミックエッセイが主催の「コミックエッセイ描き方講座」に参加したんです。少人数でコミックエッセイの描き方を学び、最後に卒業制作として12ページのコミックエッセイを描くという講座です。講座の終了直後に編集長からお声がけをいただき、書籍化に進むことになりました。

その中でもこの「お金の使い方」というテーマを選んだ理由は主に2つです。1つが、直近で私の中で起きた大きな「価値観の変化」について描きたいと思っていたことと、もう1つが、このテーマなら誰かの役に立つし、自分のFP(ファイナンシャルプランナー)としての知識も活かせるからです。

―第2話の中で、特に気に入っている場面があれば、理由と一緒に教えてください。

特に気に入っている場面は、7p〜8pの会計時にお金を払おうとして手が止まり、お金を使うことに怖さを覚え始めるシーンです。このシーンは私が「お金使えない症候群」になってしまっていることが出てきた場面であり、その後の落ちていく感じも含めて「お金使えない症候群」の心情を現す印象的なシーンを描けたと思っています。

―作中では「お金を使うことが怖い」とありましたが、同作を描き終わった現在、恐怖心が芽生えることはなくなったのでしょうか?

そうですね、「これをこの値段で買うのはもったいないな」のようなコスト意識はありますが、「お金を使うのが怖い」という気持ちはなくなりました。それは、お金を使って自分の暮らしを快適にすることの意味を実感したことと、自分のライフプランを作ってみて将来のお金の不安が払拭できたことが大きいです。今は、必要なことに適切にお金を使えていて、いい距離感でお金と付き合えてるな、と感じています。

―読者に向けてメッセージをお願いいたします。

この本を作るにあたり、「読んでよかった」と思っていただけるような本にすることに心血を注ぎました。ストーリー仕立てではありますが、お金の使い方について学べるハウツー本でもあると思います。「老後のためにお金を貯めなきゃ」と言われ、お金の貯め方、増やし方についての情報が溢れている世の中だからこそ、この本の価値があると思います。「お金を使うことに罪悪感がある」「お金をうまく使えていない気がする」という方々には、ぜひこの本を読んでいただきたいです。

(海川 まこと/漫画収集家)

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