
不動のボランチとしてジュビロ磐田の黄金期を支え、2006年開催のドイツワールドカップには、日本代表の中心メンバーとして出場。日本サッカーが世界水準へと飛躍していく瞬間をピッチの中央から見つめていた福西崇史。
そんな福西崇史が、サッカーを徹底的に深掘りする連載『フカボリ・シンドローム』。サッカーはプレーを深掘りすればするほど観戦が楽しくなる!
第126回は、前回に引き続き特別対談企画をお届け。グラビアでも活躍するタレントで、FC東京サポーターとしても知られる鈴原すずと福西崇史のサッカー対談の第4弾。鈴原さんが日頃思っている疑問や、スタジアム観戦をより楽しむために提案したこととは?
■どうしてサッカー選手はアイドル化しているのか?
――ここまで日本代表やFC東京など、日本のサッカーについて幅広くお話いただきましたが、鈴原さんが普段からサッカーを見ていて疑問に思っていることとかありますか?
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鈴原 そうですね、サッカー選手がこんなにアイドル化したのはいつからだろうかなって。大学に入ってからサッカーが好きっていう友達と出会うことが増えたんです。それでサッカーの話をすると、好きな選手のポジションとか全然わからなくて、顔と名前しか知らないという子がすごく多いんですよ。
サッカー選手がすごくピッチで頑張っているのに、それが伝わっていないのがすごく悔しいというか。だから、いつからサッカー選手がこんなにアイドル化していったんだろうなって、すごく疑問だったんです。
福西 それはメディアとかクラブも含めて、そういうサッカーを好きになってくれる人を増やす一つの方法としてやっているところもありますよね。僕はもっとアイドル化しても良いと思っていますね。
鈴原 それはどうしてですか?
福西 アイドル化して、イケメン選手がいると話題になれば、それだけサッカー選手を知ってもらえることになりますからね。今でいう「推し活」で女性のサポーターが増えてくれれば、クラブにとっても、選手にとってもありがたいことだと思います。
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鈴原 確かに、それで女性人気が上がれば、クラブ自体の認知度アップにもつながりますよね。
福西 ヴィッセル神戸とかは、「イケメン総選挙」とかやっていましたけど、それで選手の認知や人気が上がるならどんどんやって、スター選手を作っていくべきだと思います。大学の友達もイケメンだから好きとなってくれたのなら、そこからサッカーのことを色々教えてあげると良いと思いますよ。
鈴原 もう次の日に雑誌とかを持っていって、色々と教えてあげています(笑)。これからも友達にもっとサッカーを好きになってもらうために、どんどん広めていきたいと思います。
■初心者こそスタジアム観戦がおすすめ
――大学の友達のように、推しの選手がいるけどサッカーはあまり詳しくないという人が楽しむための、鈴原さん流のコツとかポイントはありますか?
鈴原 やっぱりまずはスタジアムで見るということだと思いますね。あの臨場感が私も大好きで、スタジアムグルメ(スタグル)も美味しいし、ゴール裏のサポーターの熱狂を感じられるし、あの空間にいるだけですごく楽しいと思います。
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福西 やっぱりスタジアムで見るのが、一番わかりやすくサッカーの魅力が伝わりますね。でもスタンドのどこで見るのがいいんですか? 若い子はゴール裏が怖くて行けないという人も多いですよね。
鈴原 そうですね。私の友達も「ゴール裏は無理」って言いますね。確かにスタジアムに行ってみたいけど、どの席で見ればいいのかわからないって、よく言われます。そういうところも、もっと広められたらスタジアムに見に行くきっかけになりますよね。
福西 だからそういう初めての人とかが行きやすいシートとか、アイドルとかのライブにあるような女性専用シートとか、色んな需要に合わせたシートがあってもいいかもしれないですね。
――そういう「もっとこんなサービスがあればいいのに」といったものはありますか?
鈴原 アウェイの試合に応援に行くのって、最初はすごく勇気がいるというか、大変なところもあると思うんですよ。だからチケットもそうですけど、泊まるホテルとか、観光なんかもつけた"女子旅"みたいなパッケージで売ってくれたらすごくアウェイに行きやすくなるし、助かると思いますね。
福西 それは良い案ですよね。旅行代理店とかと組めば十分に実現できると思います。
■ユニフォームレンタルで非日常感を
鈴原 それと、友達はスタジアムでは、なんとなくみんながユニフォームを着ているイメージがあるらしくて、スタジアムでのユニフォームのレンタルとかあったらいいなって思うんです。
福西 初めてスタジアムに来た人が、レンタルでもみんなとユニフォームを着れたら、よりその場の雰囲気を楽しめますよね。
鈴原 私はいつも一緒に行くとき、友達の分のユニフォームを持っていくんですけど、やっぱりスタジアムでみんなと同じユニフォームを着て、あの非日常の空間にいるとすごく気分が上がるって言うんですよね。それで大体そのあとにユニフォームを自分で買っちゃうということが多いんです。
福西 確かに初めての人が、いきなりユニフォームを買うってものすごくハードルが高いですよね。レンタルでユニフォームを着て、非日常体験をしたその興奮で、自分もユニフォームを欲しくなるというのはすごく良い施策だし、良いビジネスだと思いますね。でも洗っているとはいえ、レンタルのものを着るということに若い子は抵抗ないんですか?
鈴原 若い子はそれよりも"映え"を優先と思います。私がユニフォームを貸してあげるときも、みんなユニフォームを着て、スタジアムで写真を撮るっていうのがすごく楽しいみたいなんです。
福西 スタジアムでの非日常感をより楽しんで、そのチームを好きになるきっかけになると思うので、それはぜひJリーグのクラブでやってほしいですね。
今回、鈴原さんとサッカーについて色々とお話しして、本当にサッカーが好きで、情熱があるというのが伝わりました。これからもその熱を持って、若い層にどんどんサッカーの魅力を伝えていってほしいですね。
鈴原 本当に貴重なお話をたくさん聞かせていただけて、ものすごく勉強になりました。これからもっとサッカーのお仕事が増えるように頑張って、サッカーの魅力を少しでも伝えられるようになっていけたらいいなと思います。今日はありがとうございました。
福西 こちらこそありがとうございました。
●鈴原すず
2005年9月4日生まれ
趣味=サッカー観戦(日本サッカー協会公認3級審判員)
特技=和太鼓、書道、百人一首
〇2023年の芸能デビュー後、各グラビア誌を席巻。最近では豊富なサッカー知識を生かして、FC東京の公式イベントや番組に出演して「ガチすぎる」と話題に。
公式X【@suzu_suzuhara】
公式Instagram【@suzu_suzuhara.official】
構成/篠 幸彦 撮影/鈴木大喜