新年度、新学期──このタイミングで、2台目のスマートフォン購入を考えている人は意外と多い。
筆者自身もスマホの2台持ちをしており、過去には携帯電話販売に長年関わってきた経験から、「2台目のスマホが欲しい」という相談は年間を通してよく受けるが、やはり新生活が始まる時期は多くなる。
また、2台持ちについて相談を受ける際、多くの方から「2台目にはAndroidを選びたい」という要望が出る。日本国内ではiPhoneのシェアが高く、2台目に別のOSを選んでみよう考えるのは自然な流れかもしれない。
3月には、LINEが「サブ端末」に対応したことも大きいだろう。iPhoneをメインで使っているなら、Androidスマホを2台目のサブ端末として、同じLINEアカウントでログインできるようになった。
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そこで今回は「2台目にAndroidスマホを選ぶなら」というテーマで、そのメリットや使い方、おすすめの機種について紹介しよう。
●2台目のスマホ、何に使う?
本題に入る前に、多くの人が2台目のスマホを欲しがる理由を紹介したい。筆者が2台目のスマホ購入について相談される際、最も多いのが「プライベートと仕事を分けたい」という要望だ。
電話番号を2つ持つだけなら、1台のiPhoneに2枚分のSIMを入れて2つ目の電話番号を使えるようにすればいいだけだが、その方法では仕事の連絡もプライベートのiPhoneにやってくることになる。業務時間外や休日は、仕事の連絡の着信や通知を一切取りたくない、見たくないといったニーズを満たすには、電話番号ごと違うスマホを用意する他ない。
また、それ以外で多い要望は「Androidには、iPhoneよりカメラ機能に特化した機種がある」や「ゲーム用のスマホを別にしたい」といったものだ。
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確かにAndroidには見た目もデジタルカメラにそっくりで、カメラ機能に特化した機種も多い。また、派手な外観に高性能なプロセッサを組み合わせて、専用アクセサリーなどで拡張し、携帯ゲーム機のように使えるゲーミングスマホというカテゴリーもある。
iPhone自体には特に不満はないが、「もっと特定の機能を使いこなしたい」「特定の用途に特化させて、より快適に使いたい」と考え始めると、2台目のスマホの購入が選択肢に入ってくる。そして、そうした特別な機能を持つ機種が多いAndroidに興味を持つ人が多い、ということだろう。
●2台目にAndroidスマホを選ぶメリット
では、2台目にAndroidスマホを選ぶメリットはどのようなものがあるだろうか。まずは上でも書いたように、iPhoneにはない特定の機能に特化したスマホが数多く存在する点だ。
「iPhone以上に本格的な写真撮影を行いたい」「重量級のゲームを快適に長時間遊べるようなスマホが欲しい」など、ハードウェアとしてiPhoneにない機能に富んだ機種を選べるのは、2台目にAndroidスマホを選ぶメリットになる。
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また、Androidを選ぶことで「違うOSのスマホ」を持てることは、意外とメリットが多い。アプリの中には、Androidにしかない、Android先行といったものもある。もちろん逆にiPhoneだけのアプリもあるが、2つのOSのスマホが手元にあれば、必ずどちらかでそうした機能を利用できる点はメリットになるだろう。
そしてAndroidスマホ向けにしか実施されていない電子決済キャンペーンに参加できるようになるというメリットも出てくる。「Google Pay」など、Andoridスマホの電子決済だけを対象に、登録したカードで決済すると還元されるようなキャンペーンが意外と多い。こうしたキャンペーンを上手に使うことで、懐にも優しくお得になる点は、2台目にAndroidスマホを持っておく大きなメリットになるだろう。
もちろん期間限定のキャンペーンなので「今オトク」とも「今後もお得」とも言い切れないのだが、そうした選択肢が増えるよう備えられてるのは大きい。
●連絡手段のバックアップになる。ただし注意点もある。
2台目のスマホだが、ニーズにもあったように「仕事用に電話番号を分けたい」と考えたときには、新たに電話番号を契約する必要がある。
この際、新たに契約する電話番号を1台目のスマホと別の通信会社で契約することで、大規模な通信障害があった際に「違う会社の通信サービスが使える」というメリットも享受できる。
もちろん、1台目のスマホにeSIMなどで別の会社の通信サービスを利用できるようにして冗長化することもできるが、通信障害時などに違う通信サービスに切り替えるのは、詳しくない人からすれば難しく、物理的にもう1台のスマホでつながるかどうか試せるのは、かなりハードルの低い方法だ。
さらに通信障害に限らず、1台目のスマホが故障するなど調子が悪くなった際に、2台目のスマホが使えれば連絡が取れない状況を避けられる。
また、2台の間で連絡先や写真などを同期するような設定をしておけば、どちらかが故障しても、すぐにデータや連絡の復旧もしやすいだろう。
ただし注意点もある。2台目のスマホで連絡が取れる状態であっても、電話番号にひも付くサービスやアプリはあくまでも1台目にひもひも付いているため、ログイン認証のSMSを2台目のスマホで受け取ったりすることはできない。
もし連絡手段のバックアップとして活用することを考えているのであれば、1台目が壊れた後に、いつも使っているサービスにログインするのではなく、あらかじめログインしておき、両方でいつでも利用できるように設定しておくといいだろう。
●2台目のスマホにオススメの機種は?
2台目のスマホにAndroidを選ぶ場合、ここまでに紹介したように連絡先を分けたりバックアップにできたり、特定の用途に特化した機種を選べたりとメリットは多い。だが、実際に2台目としてAndroidスマホを選ぶのであれば、どんな機種を選べばいいのだろうか。
Androidスマホはとにかく種類が多い。「安く2台目を持ちたい」「連絡手段として使えれば十分」と考えたときには「エントリーモデル」を選ぶといいだろう。価格帯は2〜3万円台で、昔と違って安くても大容量バッテリーを搭載していたり、急速充電に対応するなど機能面も充実している。
具体的な機種名を挙げると、Xiaomiの「Redmi 14C」やモトローラの「moto g」シリーズ、国内メーカーだとFCNT(旧富士通コネクテッドテクノロジーズ)の「arrows We2」などは2台目のスマホにAndroidを選ぶのであればオススメだ。
そして、機能的な部分でiPhoneにないものを2台目のAndroidスマホに求めるのであれば「フォルダブルスマホ」を検討してもいいだろう。
フィーチャーフォンのように縦に折りたたむタイプであればコンパクトに持ち運べるため、スマホの2台持ちをしてもかさばりづらい。
横に折りたたむタイプは開くと7〜8型のタブレットサイズになるため、タブレットの代わりにもなるし、例えば仕事の連絡用に2台目を使うのであれば、共有された資料などを見やすいというメリットもある。
安価なフォルダブルスマホとして、ワイモバイルが取り扱う「Libero Flip」やモトローラの「moto razr 50s」、価格は高いが機能性や画面の大きさが売りの「Galaxy Z Foldシリーズ」あたりを検討するといいだろう。
最後に特定機能に特化した機種だが、ライカ監修の本格的な撮影機能が売りのXiaomiの「Xiaomi 15」シリーズや、シャープの「AQUOS R9 pro」がオススメだ。
ゲームに特化したゲーミングスマホであれば、ASUSの「ROG Phoneシリーズ」など、性能や拡張性、冷却機構にこだわった機種を検討するといい。
またメリットの項で書いたように、電子マネー決済のキャンペーンなどAndroid向けのキャンペーンを利用したい場合は「おサイフケータイ対応」の機種を選ぶことも忘れないようにしよう。
●2台目スマホのメリットは多い
ここまでに解説したように、2台目のスマホを持つメリットは意外にも多い。コストについてはAndroidスマホの本体代を除くと通話プランや月間のデータ通信量にもよるが、最安のプランでは1000円を下回るため、毎月のコスト増もそこまで大きくない。
キャンペーンなども駆使すれば、機種代金もエントリーモデルであれば1万円以下で購入できることも多いため、もし2台目にAndroidスマホを検討している場合、一度販売店に足を運んでみてはどうだろうか。
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