『アポカリプスホテル』白砂沙帆&諸星すみれが語る、“想像の斜め上”を行く未知のアニメ体験

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2025年05月07日 14:10  クランクイン!

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クランクイン!

テレビアニメ『アポカリプスホテル』インタビューより(左から) 諸星すみれ、白砂沙帆  クランクイン! 写真:吉野庫之介
 日本テレビ系にて放送中のオリジナルテレビアニメ『アポカリプスホテル』。人類がいなくなり、文明が崩壊した地球で営業を続けるホテル“銀河楼”を舞台に、宿泊客のいないホテルで働く“ホテリエロボット”のヤチヨら従業員たちの姿が描かれる。クランクイン!では、本作の主人公・ヤチヨを演じる白砂沙帆と、家族と一緒に地球に来たタヌキ星人のポン子役を演じる諸星すみれにインタビュー。独特な世界観の魅力からキャラクターへの想い、アフレコ現場での印象的な出来事まで、たっぷりと語ってもらった。

【写真】白砂沙帆&諸星すみれのインタビュー撮りおろしが満載!

■劇場クオリティと予測不能な展開で魅せる世界

――『アポカリプスホテル』の魅力をどのように感じていますか?

白砂:人類がいなくなった地球でロボットや宇宙人たちが暮らすという、ちょっと不思議で引き込まれるような世界観にまず心を奪われました。声のあるキャラクターはもちろん、セリフのないロボットたちにもそれぞれ違った魅力があって、表情の有無に関わらず、ちゃんと“そこに存在している”ように感じられるんです。

キャラクターは可愛らしいデザインなのに、背景は驚くほど細やかに描かれていて、その中でヤチヨたちが自然に日々を送っている様子が伝わってくる。気がつけば、いつの間にか物語の世界にすっかり入り込んでいました。可愛らしさとリアリティが絶妙に溶け合っていて、どこで映像を止めても一枚の絵のように美しい。そうした映像面の完成度も含めて、本当に多くの魅力が詰まった作品だと思います。

諸星:私も最初に映像を見たとき「劇場版のクオリティじゃない!?」と思うほど完成度が高くて本当に驚きました。ストーリーも毎回いい意味で予想を裏切ってくる展開ばかりで、「次はどうなるんだろう?」とワクワクしながら楽しめる作品だと思います。

毎話登場する宇宙人を豪華なゲストキャストの方々が演じられているのもとても贅沢ですし、アニメーション表現も挑戦的で、まるで宇宙のように未知の面白さや感動がぎゅっと詰まっている。そこがこの作品ならではの大きな魅力だと感じています。

――白砂さんが演じる主人公のヤチヨは、コミカルに映る一面がありつつも、ロボットということもありフラットな印象のキャラクターですよね。

白砂:そうですね。最初に台本を読んだときは、ロボットだけど感情をけっこう表に出す子なのかなと思っていたんです。でも実際に演じてみると、とても真面目で落ち着いていて、基本的には淡々と話すタイプで。感情がまったくないわけではないのですが、普段はあまり表に出さず、どこか距離を置いたような雰囲気を持っているなと感じました。

優しさもあるけれど、自分の中に一線を引いていて、それを越えたときに感情がふっとあふれる瞬間がある。そういった場面では、その変化がしっかり伝わるよう、お芝居のトーンにメリハリをつけて丁寧に演じることを意識しました。

諸星:私、ヤチヨのギャップでふっと笑わせてくれる感じがすごく好きです(笑)。

白砂:ありがとうございます(笑)。どこまで突き抜けていいのか最初は手探りだったんですけど、オーディションのときに「もう振り切ってやっちゃえ!」という気持ちで、かなり自由に演じたんです。その結果、「あのテンション感でOKが出たということは、ここまで振り切っていいんだ!」と思えて。

演じているうちに「もっといける」「もっと振って大丈夫」と声をかけていただくことも多くて、本当にたくさん挑戦させてもらいました。これまでに演じたことのないタイプのキャラクターで、私にとってもすごく新鮮でした。

――諸星さんはポン子を演じる上でどのような点を意識されていますか?

諸星:ポン子は見た目は可愛らしいんですけど、その中にちゃんと賢さや芯の強さがあって、すごくしっかりした子だなと感じました。ヤチヨちゃんに対しても、ただ寄り添うだけではなく、ときには引っ張るようなところもあって。ちゃんと自分の気持ちを言葉にできて、「これがしたい!」とはっきり伝えられる意思の強さがあるんです。そうした“可愛さの中にある力強さ”は、演じるうえで意識しているポイントです。

また、ちょっとクセのある家族に囲まれて育った子なので、「愛されてきたんだろうな」という雰囲気も意識しています。無邪気だけどどこかあたたかくて、見ていてほっとするような空気感を出せたらいいなと思いながら、明るく楽しく演じています。

――ポン子は物語の中でも特に成長が目に見えることもあり、もうひとりの主人公のような印象があります。

諸星:そうですね。ポン子には過去に少しつらい経験があって、どこか逃げるようにここまで来たところがあるんです。でも、ヤチヨちゃんと出会って、彼女がこれまで大切に守ってきたホテルを、今度は自分が守りたいと思えるようになっていく。そんなふうに、ポン子の中にも新たな挑戦が生まれて、彼女自身がどんどん強くなっていくように感じました。

白砂:成長度合いでは本当に主人公のような存在ですよね。ポン子ちゃんに限らず、この作品に登場するキャラクターたちは誰もが主役になれる魅力があるなと感じます。


■ヤチヨとポン子、少し“ずれてる”けど最高のコンビ

――第4話までのストーリーで印象に残っているシーンやセリフはありますか?

白砂:私は第4話でのポン子ちゃんとのシーンがすごく印象に残っています。このあたりから、自分の中で少し役を掴めた感覚があって、ヤチヨを演じるのが本当に楽しくなってきたんですよね。途中、「自由にやっていいですよ」と言われたシーンがあったのですが、それがすごく楽しくて。諸星さんがリードしてくださったおかげで、肩の力を抜いたヤチヨを自然に出せた気がします。

それまでは、「しっかりやらなきゃ」と思って少し構えていたところもあったのですが、ポン子とのやりとりではふっと力が抜けて、リラックスした状態でお芝居ができた気がします。「レッツフィッシング!」というセリフも、ちょっとバラエティっぽくて明るく言えたのが新鮮で、「あ、ヤチヨってこんな一面もあるんだ」と、自分の中で新たにアップデートされた感覚がありました。

諸星:第4話はポン子にとっても、大きな成長が描かれている回でした。ヤチヨとの距離もぐっと縮まった気がして、「みんなでホテルに帰りたい」という想いも芽生えていく中で、彼女の内面に変化が生まれていく。そんなきっかけが詰まった回だったので、すごく印象に残っています。

それに、私もヤチヨちゃんとの掛け合いが本当に好きなんです。ポン子がちょっと感情的になっても、ヤチヨちゃんが冷静に受け止めてくれる。そのふたりのバランスがとても良くて、見ていても演じていても心地よさを感じました。

――ヤチヨとポン子は本当にいいコンビですよね。

白砂:どこか似た者同士というか……ふたりとも少し“ヤバさ”を持っている感じがして、でも実はまったく違うタイプなんですよね。ポン子ちゃんは意外と常識的な面もあって、それがまたバランスを取っているというか。それでも、お互いを大切に思っていることはすごく伝わってきます。

特にポン子ちゃんは、言葉や態度でしっかり気持ちを表してくれる。ヤチヨはあまり多くを語らないけれど、他のキャラクターに対する反応とはどこか違っていて、返し方にも心の動きがにじんでいるなと感じます。やっぱり、大切に思っているんだなって。

諸星:そう、お互いちょっとずれてるところがあるのに、不思議とうまく噛み合ってるんですよね。

白砂:客観的にふたりを見ていると、「すごくお似合いだな」と思います。ずっと見ていたくなるような関係性で。

諸星:そうそう。お互いに足りない部分を自然に補い合っていて、気がつくとすごくいいバランスになってるなって。

白砂:どちらも完璧ではないからこそ、逆に“最高のコンビ感”が出るのかなと思いますね。


■豪華キャストが本気で“遊ぶ” 刺激に満ちたアフレコ現場

――ドアマンロボ役の東地宏樹さんや、環境チェックロボ役の三木眞一郎さんなど豪華キャストが揃う本作ですが、みなさんと一緒に収録する中で特に印象的だったエピソードはありますか?

白砂:序盤は登場キャラクターが少なかったので、現場も静かな空気感だったんですけど、第3話でタヌキ星人の家族が登場してから、一気ににぎやかになって雰囲気がガラッと明るくなったんです。

ヤチヨは1〜2話ではセリフこそ多いものの、感情を豊かにやり取りするような場面は少なかったので、掛け合いが増えた3〜4話は、その場でしか生まれないテンポや空気感があって、本当に楽しかったですね。みなさんの演技を間近で見ながら、「プロフェッショナルってすごいな」と思って背中を追いかけていました。

諸星:プロフェッショナルが本気で遊んでる、みたいな(笑)。

白砂:本当に(笑)。ブンブク役のチョーさんなんて、こちらの想像のはるか斜め上からお芝居が飛んでくるので、笑いをこらえるのに必死でした。タヌキ星人のみなさんとお芝居するシーンは、テストの段階でも前のセリフにつられて思わず笑みがこぼれてしまうこともあって……ヤチヨとしての集中を保つのが大変なくらい楽しくて、印象に残っています。

諸星:あとは三木さんの演じる環境チェックロボのセリフも毎回すごくて、鋭さというか、独特の勢いがあるんですよね。演技のバリエーションが本当に豊かで、セリフの読み方ひとつとっても、「そんな表現があるんだ!」と驚くことばかりでした。

私は第3話からの登場だったので、1〜2話の収録には参加していなかったんですが、旅人宇宙人(CV:野津山幸宏)のシーンもすごく印象的で……(笑)。あれ、アドリブだったんですか?

白砂:そうなんです。実は台本には「宇宙語で」としか書かれてなくて、セリフ欄も「?」「☆」とか記号だけで。あの宇宙語、全部野津山さんが考えて演じていらっしゃるんですよ。

三木さんが演じる環境チェックロボのセリフも、たとえば「ここで驚いてください」みたいな指示だけで、あとは自由にアドリブを加えてくださいというケースが多くて。そういった場面をしっかり形にされているのが、本当にすごいなと思いました。

――ベテランのみなさんが現場の雰囲気を作られていたんですね。

白砂:そうですね。先輩方は気持ちが強くて、お芝居に一切妥協がないんです。ストイックで、でもそこにリスペクトがあって。誰かが面白いことをすると「自分も……!」みたいな、いい空気感がありました。

諸星:毎回、刺激的で楽しかったですね。私たちも自然と引っ張られて、「もっとこうしたい」って気持ちが湧いてくるような現場でした。

白砂:本当に支えてもらっている感覚があって。お芝居って難しいなと感じることも多いんですけど、やっぱり楽しいなって。毎話の収録で、みんなで一緒につくる喜びをあらためて実感できる、そんな現場でした。

――最後に、物語の後半に向けてファンのみなさんにメッセージをお願いします。

白砂:ここまでご覧いただいて、「なんとなくこういう作品なのかな」と感じてくださった方もいるかもしれませんが、実はまだまだ『アポカリプスホテル』の本質にはたどり着いていないと思っています。今後も衝撃的な展開が待っていて、ヤチヨやポン子ちゃんをはじめ、キャラクターたちの成長や関係性もどんどん深まっていきます。ぜひ最後まで、細かい変化や心の動きにも注目しながら楽しんでいただけたら嬉しいです!

諸星:本当にこの先、予想を超えるような出来事が次々に起こっていきます。私自身、アフレコしながら「なんじゃこりゃ!?」って驚くことがたくさんありました。個人的に印象に残っているのが予告の収録で、毎回とにかく面白くて。「さっきまで見てたアニメと同じ作品だよね?」と思うくらい、ガラッと色が変わるんです。そういう振り幅やアニメーションとしての挑戦も、この作品ならでは。

きっと飽きることなく、ジェットコースターのような勢いで最後まで楽しめると思います。どうぞお見逃しなく!

(取材・文・写真:吉野庫之介)

 オリジナルテレビアニメ『アポカリプスホテル』は、日本テレビ他にて毎週火曜25時34分放送。ABEMA・Lemino・アニメタイムズにて毎週火曜26時15分見放題最速配信。※放送時間は変更になる可能性あり。

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