「犯行阻止できる唯一の立場」母に執行猶予付き判決 札幌遺体切断

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2025年05月07日 19:45  毎日新聞

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田村瑠奈被告の母浩子被告に対する判決公判を前に、札幌地裁には傍聴券を求めて列を作る人たちの姿があった=札幌市中央区で2025年5月7日午前11時12分、谷口拓未撮影

 札幌市の繁華街・ススキノのホテルで会社員男性(当時62歳)を殺害し、頭部を切断したなどとして田村瑠奈被告(31)ら親子3人が殺人罪などに問われた事件で、札幌地裁が母の浩子被告(62)に執行猶予付きの有罪判決を言い渡した7日、法廷には多くの傍聴人が詰めかけた。


 事件は2023年7月に発生して以降、社会の注目を集めてきた。3月の父修被告(61)に続く両親の判決公判となったこの日は、50席の傍聴券を求める希望者が開廷約3時間前に地裁内で列を作り、整理券は147枚配られた。


 浩子被告は髪を後ろで一つに束ね、白い襟付きシャツに黒い上着を着て出廷。懲役1年2月、執行猶予3年の判決が言い渡されても、証言台で直立したまま微動だにせず、渡辺史朗裁判長らに向き合った。


 地裁は弁護側の無罪主張を退け、死体遺棄と死体損壊のほう助罪を認定したが、約40分間の公判中に浩子被告が表情を変える様子は見られなかった。


 渡辺裁判長は判決で、男性の頭部を自宅に保管する瑠奈被告をとがめたり、警察に通報したりしなかったことなどを踏まえ、浩子被告の行動を「重要なほう助行為」と非難。「犯行を阻止できる唯一の立場にあったが、瑠奈被告の犯行の意思を促進した程度は小さくなかった」とも批判した。


 一方で、「前もって犯行に協力する意思を有しておらず、遺体の隠匿を事後的に容認したにとどまり、損壊は物理的にほう助したとはいえない」と指摘した。その上で浩子被告に対し、「母として(瑠奈被告に)正しい接し方をしてあげてください」と説諭した。


 地裁は3月、修被告に死体遺棄と死体損壊のほう助罪で懲役1年4月、執行猶予4年を言い渡しており、この日で両親の1審は終わった。両親は無罪を主張していずれも控訴。弁護側は判決を不服とし、「上級審にきちんと判断してもらうしかない」などとしている。【谷口拓未】



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  • ポジションはそこでも目血ばちらせた大人二人に睨まれたらどうしようもないと思うが (´・Д・)」
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