
生理中に焦った経験を持つ女性は少なくありません。でも、そんなときの戸惑いやしんどさ、そっと助けてもらった優しさは、普段あまり語られることがありません。
【漫画】「生理に準備万全を求めるのは酷だよなあという話」全編を読む
学生時代、授業中に突然生理が来たことに気づいたサム・マローンさん。制服が汚れていないか不安に思いながらも、どうすることもできません。次第に頭痛も感じ始めたところに、音読の順番が回ってきてしまいます。
焦ったサム・マローンさんが、とっさに「立てないです」と伝えると、先生は何も聞かず、静かにほほえんで次の生徒へと順番を回してくれました。ほっとしたのもつかの間、今度はナプキンを持っていないことに気づきます。生理が近いと分かってはいたものの、親に頼んでも用意してもらえなかったのです。
そんなサム・マローンさんにそっと手を差し伸べたのは、隣の席の友達でした。机の下からそっとナプキンを渡してくれたのです。さらに、普段あまり話したことのないクラスメイトまでが、制服の汚れを気づかい、カーディガンと頭痛薬を差し出してくれました。突然の生理に戸惑うなか、そっと寄り添ってくれた周囲の優しさに、サム・マローンさんは胸がいっぱいになりました。SNSで反響を呼んだ同作について、作者のサム・マローンさんに話を聞きました。
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ーこの作品を描いたきっかけを教えてください。
受講中の漫画講座で出された課題「読者をハラハラさせる」をきっかけに、学生時代や会社員時代に感じた“生理への不安”をテーマに描きました。特に椅子や服を汚してしまう恐怖が強く、でもこうした話は女性同士でもあまりされません。「失敗=未熟」と見られる空気があることに違和感を持っていました。
ちょうどXで「生理」が悪いニュアンスでトレンドワードになっていて、気持ちをぶつけるより、実体験に基づいた共感や助け合いを描くことで、女性には寄り添い、男性には「生理は予測しきれないものなんだ」「そんな助け合いがあるんだ」と柔らかく伝わるように、この作品を描きました。
学生時代は三姉妹だったこともあり、生理用品などを自由に選んで使うことが難しかった記憶が残っています。同作ではそんな現実も伝えたかったんです。
ー生理に関して焦ったご経験と、その時の対処法を教えてください。
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会社員時代、仕事に集中しすぎて1時間以上トイレに行かず、経血が椅子に漏れてしまったことがあります。入社したてで必死だったため、タンポンとナプキン併用でも防げませんでした。急いで対処し戻ると、フリーアドレスの席に他の方が座っていて…。気づいても知らないふりをしてくれたのかもしれませんが、しばらく恥ずかしく、大人として未熟に思われたのではと不安でした。
ー生理のことで悩んでいる方々へメッセージをお願いします。
生理はどれだけ準備していても、完全にはコントロールできないことがあります。特に学生時代は周期も不安定で、予測しにくいものです。
社会人になるとからかわれることは減りますが「助けを求めづらい」壁が出てきます。困ってもユニクロやコンビニで対処できてしまうからこそ、頼らずに自分で処理すべきだと思い込んでしまう。でも、完璧な対処が当たり前なわけではありません。誰だって失敗するし、自分を責めないでほしいです。
ピルで症状を軽くできても、副作用があったり、生理が来ないことに不安を感じたり、どの状況でも毎月女性たちは本当に頑張っています。だからこそ、「みんなあること」として自分のしんどさを過小評価しないでください。
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(海川 まこと/漫画収集家)
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