写真 ユナイテッドアローズが、新たな越境ECサイト「ユナイテッドアローズ グローバル オンライン」を今秋にオープンする。2024年11月に開設した「タバヤ ユナイテッドアローズ(TABAYA United Arrows)」に続く2つ目の越境ECサイトとなり、海外での認知度向上と販路拡大を目指す。
ユナイテッドアローズは、2023年に長期ヴィジョン「美しい会社 ユナイテッドアローズ、真善美を追求し続けることでサステナブルな社会の実現に貢献し、お客様に愛され続ける高付加価値提供グループになる」を発表。あわせて示された中期経営計画では、既存顧客との関係性を深めながら新たな顧客層を開拓することを目的として、3つの主要戦略「UA CREATIVITY」「UA MULTI」「UA DIGITAL」を公開した。同ECサイトの開設は、グローバルでの存在感拡大を目指す「UA MULTI」戦略の一環として行われる。
同社は、2024年にタイとシンガポールに出店。今年1月には中国大陸初の直営店「ユナイテッドアローズ 上海静安嘉里中心店」をオープンした。海外に向けたEC戦略としては、台湾での自社ECサイト運営や中国のECモール「天猫国際(Tmall Global)」への出店のほか、前述の越境ECサイト「タバヤ ユナイテッドアローズ」を展開している。
新たに立ち上げるECサイトでは、「ユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS)」「ビューティー&ユース ユナイテッドアローズ(BEAUTY&YOUTH UNITED ARROWS」「ユナイテッドアローズ グリーンレーベルリラクシング(UNITED ARROWS green label relaxing)」をはじめとする自社ブランドのオリジナルアイテムをラインナップ。利便性を向上させ、海外の顧客体験の更なる向上を目指したいとしている。
◆2025年3月期は増収増益、中期経営計画達成へ
ユナイテッドアローズ2025年3月期の実績は、売上高が前年同期比12.4%増の1509億1000万円、営業利益が同18.5%増の79億8400万円で着地。チャネル別では、小売、ネット通販、アウトレットの全項目において前年超えを達成した。事業別では、「ユナイテッドアローズ」「ビューティー&ユース ユナイテッドアローズ」を中心とする「トレンドマーケット」事業、「ユナイテッドアローズ グリーンレーベルリラクシング」を中心とする「ミッド・トレンドマーケット」事業がそれぞれ伸長。特に「ミッド・トレンドマーケット」事業では、ウィメンズの大型プロモーションが奏功し、既存店売上高で同15.0%増と高い成長率を示した。不振が続いているグループ企業のコーエンは、MDの修正などにより回復が進んだものの、販管費の上昇などにより増収減益。2026年3月期では売上総利益率の改善を最優先事項として経営に取り組むとした。
中期経営計画の最終年度となる2026年3月期では、売上高で前年同期比9.8%増となる1656億円、営業利益で同12.7%増となる90億円を予定。中計に対しては順調に進捗しており、最終年度での計画達成を見込んでいる。
■ユナイテッドアローズ 2025年3月期実績売上高:1509億1000万円(前年同期比12.4%増)営業利益:79億8400万円(同18.5%増)