茂木健一郎「年を重ねてくると…」年々、行動範囲が狭くなっていると悩む相談者に脳科学の視点でアドバイス

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2025年05月09日 06:20  TOKYO FM +

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茂木健一郎「年を重ねてくると…」年々、行動範囲が狭くなっていると悩む相談者に脳科学の視点でアドバイス
脳科学者の茂木健一郎がパーソナリティをつとめ、日本や世界を舞台に活躍しているゲストの“挑戦”に迫るTOKYO FMのラジオ番組「Dream HEART」(毎週土曜 22:00〜22:30)。
TOKYO FMとJFN系列38局の音声配信プラットフォーム「AuDee(オーディー)」では、当番組のスピンオフ番組「茂木健一郎のポジティブ脳教室」を配信中です。この番組では、リスナーの皆様から寄せられたお悩みに、茂木が脳科学的視点から回答して「ポジティブな考え方」を伝授していきます。
5月3日(土・祝)の配信では「行動的になる方法」に関する相談に答えました。


パーソナリティの茂木健一郎



<リスナーからの質問>
現在50代です。年々、行動範囲が狭くなっているのが気になっています。
自宅から職場まで徒歩で通える近さなので、日常的に遠出することが少なくなりました。また、自動車の運転も面倒になってきたので、さらに心配です。若い頃はふらっと遠出していたので、また活動的になるためにはどうしたらいいですか?

<茂木の回答>
これは脳の仕組みから言うと、当然のことなんです。というのも、脳は自分にとって嬉しいことをいろいろと探すわけなのですが、若いときは嬉しいことのストックがそんなにないわけです。

だから未知のところに行って、いろいろと探さなくてはいけないのですが、年を重ねてくると、自分の好きな食べ物や音楽、人、場所などがわかってきます。「私はこういうところへ行くと嬉しいんだな」「私はこういう人と会うと楽しいんだな」とわかってしまうので、ヘビーローテーションでそれを楽しんでしまい、あまり探索行動をする必要がなくなってしまうのです。年を重ねると、よほど意図的に探索しないと、今までに見つけた自分のホームグラウンドで満足しちゃうようになってしまうんですよね。

そこで、まず1人でやれることとしては、「ちょっとした遠出」をおすすめします。「週に1回は普段歩かない道を散歩してみる」「いつもと違う駅や街に寄り道をする」「電車やバスで移動するときに、1駅だけ歩いて帰る」といった行動がいいかもしれません。

そしてもう1つは、他の人を利用するという手があります。先ほどお話したように、例えば20代の方などは、まだそこまで自分にとって(脳に)嬉しいことのストックがないわけなんですよ。ですから、そうした方が遠出や探索をするときに一緒に行動してみると、新鮮な目で世界を見ることができます。若い世代の仲間と、いろいろなイベントや展覧会に行ってみるなどを試みていただくといいのかなと思います。

また、逆にあなたがすでに今までの人生のなかで見つけてきた楽しいことや面白いことを、若い世代の人に教えてあげるのも大事かと思います。いずれにしても、他の方と行動すると自然に自分の行動範囲も広がるのかなと思いますよ。

私自身も、イギリスのロンドンや、留学していたケンブリッジなど、自分の好きなところって決まっているんです。ただ昨年行ったバングラデシュは、知り合いに誘われて行きました。今年はインド工科大学にも行ったのですが、これも知り合いに誘われて行ったので、自分1人ではバングラデシュもインド工科大学も行っていなかったかもしれません。

ですから、人から何かに誘われたときには、気軽に行ってみるというのは1つのやり方かなと思います。ぜひ仲間からのお誘いを積極的に活かして、ふらっと遠出する楽しさを少しずつ取り戻していけるといいかなと思います。

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音声版「茂木健一郎のポジティブ脳教室」
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<番組情報>
番組名:茂木健一郎のポジティブ脳教室
配信日時:毎週土曜 22:30配信(予定)
パーソナリティ:茂木健一郎

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