〇外ダービーからマイル王決定戦へのターニングポイント 内国産馬テレグノシスの勝利

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2025年05月09日 07:30  netkeiba

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テレグノシス(撮影:下野雄規)
 NHKマイルカップ(3歳牡牝・GI・芝1600m)にはかつて「マル外ダービー」と呼ばれていた時代があった。それもそのはず、第1回の96年から01年まで外国産馬が6連覇していたからだ。ここではテレグノシスが内国産馬としての初制覇を果たし、レースの転換点となった02年の一戦を振り返る。

「マル外ダービー」の風向きが変わったのは01年のことだった。クラシックが外国産馬に解放されたのである。同年のNHKマイルCはクロフネが制し、外国産馬の連勝を「6」に伸ばしたが、翌02年に遂に歴史が動くこととなる。

 同年の主役はタニノギムレットだった。3歳となってシンザン記念、アーリントンC、スプリングSと重賞を3連勝。前走の皐月賞では厳しいレースを強いられたものの、しっかりと脚を伸ばして3着を確保。ここはレース史上初となる内国産の1番人気、それも単勝1.5倍の圧倒的支持を受けていた。これに続くのがニュージーランドT覇者のタイキリオン。単勝オッズ10倍以内は2頭のみで、3番人気以下はメジャーカフェ、テレグノシス、アグネスソニックと続いた。

 しかし、レースは意外な決着となる。タニノギムレットは直線半ばで大きな不利があり、ゴール前で追い上げたものの3着まで。かわって勝利を収めたのはテレグノシスだった。前走のスプリングSではタニノギムレットの2着に敗れていたが、着差は僅かにクビ。結果的に単勝14.3倍の4番人気は少し低い評価だったといえるかもしれない。直線で斜行し、タニノギムレットの進路を妨害した当事者となったので、手放しで喜べるレースではなかったが、勝ちは勝ち。勝浦正樹騎手、杉浦宏昭調教師と人馬揃ってのGI初制覇を果たした。

 このレースを機に、NHKマイルCでは内国産馬が幅を利かすこととなる。20年のラウダシオンまで実に19年連続で勝利。徐々にマル外ダービーと呼ばれることはなくなり、3歳マイル王決定戦として定着することになるのだった。

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