東京都文京区の東京メトロ南北線東大前駅で男子大学生が切りつけられた事件で、殺人未遂容疑で逮捕された戸田佳孝容疑者(43)=長野県生坂村=が容疑を認め、「(子の)東大進学を目指した教育熱心な世間の親に、度が過ぎると子供がグレて私のように犯罪を犯すと示したかった」と供述していることが捜査関係者への取材で判明した。東大近くで事件を起こすことで世間の注目を集めようとしたとみられる。
捜査関係者によると、戸田容疑者は逮捕後の調べに黙秘していたが8日から供述を始めた。中学時代に教育熱心な親のせいで不登校になったと説明。現場となった東大前駅については「名前に『東大』とついていて、教育虐待を連想しやすいと思ったから」と供述しているという。
事件は7日午後6時55分ごろ、ホームから電車に乗ろうとする男子大学生(20)が背後から包丁(刃渡り約16センチ)で首の後ろや額、左手を3回切りつけられ、約10日間の入院が必要なけがをした。大学生と戸田容疑者に面識はないとみられ、戸田容疑者は「たまたまこの男性が近くにいたので狙った。自分の考えを示すことができれば相手が死んでも死ななくてもどちらでも良かった」とする一方、生活に困窮していたことも動機の一つとして挙げているという。
警視庁の捜査で、戸田容疑者は事件当日に長野県から上京し、午後4時ごろには東大近くの東京メトロ丸ノ内線本郷三丁目駅付近の路上を歩いていたとみられる。
警視庁は9日、戸田容疑者を殺人未遂と銃刀法違反の疑いで東京地検に送検した。【菅健吾、朝比奈由佳、松本ゆう雅】
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