日本大元副学長の沢田康広氏 日本大学アメリカンフットボール部(廃部)の部員による違法薬物事件の対応を巡り、林真理子理事長からパワハラを受けたとして、沢田康広元副学長が林氏に1000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が9日、東京地裁であった。上払大作裁判長は「パワハラに当たるとは言えない」などとして請求を棄却した。
沢田氏側は林氏から日大で開催されたほぼ全ての会議への出席を禁止され、違法に辞任を迫られたことがパワハラに当たると主張していた。
上払裁判長は、林氏ら執行部会のメンバーが沢田氏を会議に出席させない方針を決めたのは、沢田氏がアメフト部員の大麻使用に関する重要な情報を共有しなかったためだと指摘。沢田氏は実際には会議に複数回参加しており、「禁止するものではなかった」と判断した。
違法な辞任勧告だとする主張についても「林氏が優越的な関係を背景に辞任を求めたとは認められない」などとして退けた。
薬物事件は2023年8月に発覚。沢田氏は同12月末に副学長を辞任した。
沢田氏は「不当な判決。明確な事実誤認があるので、控訴して高裁の正当な判断を仰ぐ」とコメント。林氏は「妥当な結論をいただき、感謝する」とした。