日本空港ビルデング、会長と社長が利益供与を主導 調査結果公表

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2025年05月09日 20:30  TRAICY

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日本空港ビルデングは、子会社のビッグウイングが羽田空港に設置したマッサージチェアの契約先の選定や取引の過程で不適切な行為が行われていたとして、お詫びした。

設置した特別調査委員会による調査で、東京都港区に本社を置く、元衆議院議員の子息が関連する会社に対し、経済的利益を与える目的で不適切な取引を行っていた。マッサージチェア事業に加え、広告代理店業務や経営コンサルティング業務でも不適切な取引が確認された。

2006年9月にビッグウイングと同社が契約して設置したマッサージチェアの売上のうち、当初は60%、2008年9月以降は70%を機器設置利用料として支払っていたものの、実際は下請けの別会社(X社)が業務を行っていた。2016年には税務当局から、同社の業務実態が認められず、同社の取り分は税法上の寄付行為であると指摘を受け、延滞税や重加算税を含めて6,600万円を納付していた。このため、ビッグウイングと同社の契約を解除した上で、下請けのV社との間で委託契約を締結し、X社は同社に対して金銭の支払いを行っていた。ビッグウイングの岩瀬祐和専務取締役も認識しており、2020年7月には利用料を売上の80%に増額している。

一方、X社は手数料の支払い負担が重く、機器更新を行う余力がなかったことから、第1ターミナルと第2ターミナルの事業を他社(V社)に引き継いだ。V社は同社に対して手数料の支払いを認識しておらず、支払いを拒否したことから、利用料を70%に減額した。V社から同社への手数料の支払いが拒否されていたことから、2023年6月に新たに同氏が紹介する別会社(Y社)との間で委託契約を契約し、V社との第1ターミナルと第2ターミナルの契約も期日通り3年間で終了した上で、Y社との間で契約を締結することとしたものの、V社は反発し、ビッグウイングに対して撤回を求める書面を送付していた。その後、契約は1年延長された。

契約締結が遅れる対価として、Y社との間で第1ターミナルと第2ターミナルのマッサージチェアの清掃業務を締結したものの、ごく一部の清掃しかしていないにもかかわらず、全ての機器を清掃した旨の虚偽の報告書が作成され、これを黙認していた。2024年12月、V社との契約終了を受け、ビッグウイングはY社と委託契約を締結した。

この他にも、ビッグウイングと同社は、2008年12月に空港内広告の代理店契約を締結。広告掲出料の割引をおこなったものの、2013年ごろから支払いが滞り、2024年3月末時点での未払額は約1,928万円に上っており、全額に貸倒引当金が設定されている。税務調査では、同社が広告主から、広告掲出料の定価を大幅に超える多額の広告料を受け取っている旨の指摘がなされたほか、ビッグウイングの担当者も他社から同様の話を聞き、報告していた。同様の行為は禁止されていたものの、事実確認などはなされなかった。

2013年には、日本空港ビルデングとZ社の間でアドバイス業務の業務委託契約を締結しているものの、この契約も同社に対して金銭を支払うだめの形だけの契約だった。契約は2016年3月末で終了し、税務調査では寄付金と認定され、合計1,100万円弱を納付した。

調査では、岩瀬氏が携帯電話を回収する前に「LINE」アプリを削除していた事実が判明した。岩瀬氏は意図的に削除したわけではないと説明したものの、特別調査委員会では意図的に削除し、公正な調査を妨げる不適切な行為であるとした。

一連の取引を主導したのは、横田信秋代表取締役社長執行役員兼COOで、鷹城勲代表取締役会長兼CEOも容認していた。調査結果を踏まえ、両氏は辞任した。

このニュースに関するつぶやき

  • 揉み消せると思ったのかね・・・ マッサージチェアだけにw
    • イイネ!1
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