実現へ「さまざまな提案」＝ＵＳスチール買収で―日鉄社長

　日本製鉄の今井正社長は９日の決算記者会見で、米鉄鋼大手ＵＳスチールの買収について「完全子会社化が交渉のスターティングポイントだが、米政府、トランプ大統領との交渉になる。どこまで許されるのか、さまざまな提案をしている」と述べた。

　計画に対しては、トランプ氏が完全買収に反対する一方で、出資は容認する姿勢を示している。今井氏は、米政府への具体的な提案内容は明かさなかった。

　会見に同席した森高弘副会長は、買収計画に関して、米政府の対米外国投資委員会（ＣＦＩＵＳ）による再審査の報告期限が５月２１日、その後のトランプ氏の判断期限が６月５日に来ると説明。「そこで本件を終わらせるべく全力を挙げる」と強調した。

　米政府との交渉を担当している森氏は、「最終的にはトランプ氏の判断になる。どういう形がお互い納得できるのか（米政府と）議論していく」と語った。