二重被災した能登の世界農業遺産 「白米千枚田」で田植え始まる

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2025年05月10日 13:02  毎日新聞

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毎日新聞

田植えが始まった白米千枚田=石川県輪島市で2025年5月10日午前9時50分、岩本一希撮影

 「能登の里山里海」の一部として世界農業遺産に認定されている、石川県輪島市の棚田「白米千枚田(しろよねせんまいだ)」で10日、田植えが始まった。


 棚田は2024年元日の能登半島地震だけでなく、9月の豪雨でも被災し、その影響で棚田の一部が崩れた跡が今も残る。曇り空から時折日差しが照りつける中、付近の住民らが腰をかがめてコシヒカリの苗を植えていった。


 千枚田は国指定の名勝で、日本海沿いの急斜面に1004枚の棚田(約4万平方メートル)が広がる。


 昨年は地震の影響でひび割れするなどした田んぼの復旧が間に合わず、収穫できたのは120枚にとどまった。収穫直後、豪雨に見舞われ、棚田近くの斜面が崩れるなど再び被災した。その後、この日までに250枚の田んぼが修復され、田植えにこぎ着けた。


 棚田を管理する団体「白米千枚田愛耕会」の会長を務める白尾友一さん(61)は「多くの人に支えられて今年も田植えができた。少しずつ復興している姿を見せ、感謝を伝えたい」、宇都宮市からボランティアで訪れた柴田裕幸さん(65)は「千枚田が復興のシンボルとなるよう手伝いたい」と話した。


 田植えをしたコシヒカリは秋に収穫し、「絶景米」として棚田の脇にある「道の駅千枚田ポケットパーク」で販売される。【島袋太輔】



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