スタジオツアー東京の特別企画「炎のゴブレット」はもう行った? 実はとても奥が深い“神イベント”でした

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2025年05月10日 14:10  クランクイン!トレンド

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スタジオツアー東京の企画「炎のゴブレット」が本当にすごい!  クランクイン!
 映画『ハリー・ポッター』や『ファンタスティック・ビースト』シリーズの制作の舞台裏を体験できる、ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 ‐ メイキング・オブ・ハリー・ポッター(以下、スタジオツアー東京)は、4月18日(金)から9月8日(月)までの期間限定で、映画『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』公開20周年を記念した特別企画「炎のゴブレット」を開催。本企画では、スタジオツアー東京開業以降はじめて、ひとつの作品のテーマに沿って初公開となるものも含む小道具や衣装、クリーチャーが全館の随所に展示される。今回は本企画をより一層楽しむための豆知識を、クリーチャーやトム・リドルの墓の制作に携わったスタッフの言葉とともに紹介。映画では見逃してしまいそうな細かいこだわりを展示とともにぜひチェックしてみて。その奥の深さにきっと驚くはず!

【写真】迫力すごすぎる 特別企画「炎のゴブレット」の展示をイッキ見

■『炎のゴブレット』をおさらい

 シリーズ4作目となる『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』は、100年ぶりに開催されることになった三大魔法学校対抗試合(トライウィザード・トーナメント)を舞台に、ホグワーツ魔法魔術学校の4年生になったハリー・ポッターの成長と試練を描く物語。

 出場年齢に達していないにもかかわらず、炎のゴブレットによって出場選手に選ばれてしまったハリーは、はからずも三つの危険な課題に挑むことに。『ハリー・ポッター』シリーズにおいて、魔法と冒険の物語から魔法界の闇の勢力との戦いの物語へ、ターニングポイントとなる重要な作品だ。

■今回の企画で何が見れる?

 そんな本作を特集する特別企画「炎のゴブレット」では、シリーズのなかで最も古く、最も大きなセットである大広間の中心に、炎のゴブレットが登場。青く光る年齢線と青い炎が揺らめく演出がほどこされたゴブレットがゲストを出迎える。原木ならではの節やねじれ、割れといった自然の風合いを生かした歴史を感じさせる重厚なゴブレットを目の前にすると、伝説の試合に名乗り出た生徒たちの覚悟や緊張感を感じるはず!

 さらに大広間のセットを抜け、歩を進めると、本作に登場する印象的な小道具やクリーチャーの数々が次々と姿を現す。三つの課題のうち第一の課題でハリーが対峙(たいじ)したドラゴンのハンガリー・ホーンテイル、ハリーが第二の課題のヒントを解くために訪れた監督生の浴室で、ひときわ目をひく色とりどりの水が流れる蛇口、スタジオツアー東京で初めての披露となる衣装の数々など、映画の名シーンを彩った貴重な品々が展示される。

■巨大ハンガリー・ホーンテイルが頭上に!

 三大魔法学校対抗試合の第一の課題は、ドラゴンとの対決。出場選手は、代表選手それぞれに割り当てられたドラゴンが守っている金の卵を奪い取るという、非常に危険で壮大な戦いに挑む。ハリーはその中でも特に凶暴な「ハンガリー・ホーンテイル」というドラゴンと対峙(たいじ)することに。

 本作に登場するハンガリー・ホーンテイルは、トーナメントでハリーを追い回すCG版と、クリーチャー部門によって制作されたアニマトロニクス版とが用いられた。ハリーが森の中で初めてハンガリー・ホーンテイルを目にするシーンに登場した実物大のドラゴンはアニマトロニクス版のもので、全長約12m、羽を広げると約21mもあり、実際に体を動かして威嚇したり、9mの炎を吐いたりすることができた。

 今回の特別展示では、全身幅3mのハンガリー・ホーンテイルが、地上4mの高さに、左右1.3mの翼を広げた姿で登場。ハリーに奪われまいと、鋭い眼光を放ちながら岩の上の金の卵を守るさまが再現される。ちなみに、映画で使用されたホーンテイルは、アニマトロニクス版で、展示用とは別のモデルとなる。

 展示されるハンガリー・ホーンテイルの制作を手掛けたのは、映画『ハリー・ポッター』シリーズ全作でアニマトロニクス・モデル・デザイナーとして活躍したジョー・スコット。彼は、クリーチャー部門に残されていたドラゴンをスキャンし、コンピューター上で3Dモデル化。頭部や足、翼などを動かしてポーズを決定し、その姿を造形。その後、塗装部門が色彩やリアルな質感を施し、オリジナルのハンガリー・ホーンテイルを完全再現した。

 天井から吊るされた状態での展示となるため、「翼幅と全体を支える方法が最大の課題だった」とスコット。この難題を解決するため、「造形されたドラゴンの内部に金属の骨組みを入れた」と明かす。

■“まるで本物”なロンのダミーが登場

 さらに今回、本企画のために、実際の撮影に使用されたロン・ウィーズリーの水中ダミーが日本で初公開! こちらもハンガリー・ホーンテイルを手掛けたスコットが制作を担当した。

 三大魔法学校対抗試合の第二の課題は、「深い湖の底から大切な人を取り戻す」こと。出場選手は、魔法によって一時的に眠らされた大切な家族や友人が湖の中に閉じ込められており、制限時間内に救出するミッションが与えられた。第二の課題のシーンは200万リットルもの水が入る巨大なプールを使い、実際に水中で撮影。水中での撮影のため、俳優たちと全く同じに見えるダミーが使用されたのだ。

 俳優たちの型をとり、石膏で精巧な複製を作成。この複製を基に、顔や頭、手はシリコン、胴体はグラスファイバーといった、それぞれの用途に適した素材を使用し、頭髪や眉毛を埋め込み、肌の色味を足すなどして、本物そっくりに仕上げられた。

 ダミーを制作するにあたり「水底まで沈むのか?浮くのか?どう撮影するのか?」といったあらゆる可能性を考慮。体内にタンクを内蔵したダミーが作られた。タンクに空気を入れることで、水中でゆらゆらと漂う姿を表現し、口から泡を出して息をしているよう見せることが可能に。また、手足にわずかな関節をつけ、水の動きに合わせて自然に動くよう工夫が施された。

 撮影終了から20年以上が経過しているにもかかわらず、ダミーにはほとんどダメージはなく、「驚くほどいい状態だった」とのこと。当時のロンの写真を参考に、肌のトーンや毛髪を整え、本物のロンに見えるよう細部まで手が加えられた。「ニック・ダッドマン率いるクリーチャー班が、いかにうまく作っていたか如実に物語っている」とスコットは振り返る。「今でも本物のロンに見えるようにしました」とスコットも太鼓判を押す、ロンのダミーはその目で確かめる価値大アリ!

■約3mの「トム・リドルの墓」は迫力満点

 トム・リドルの墓のシーンは、『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』の最も印象的なシーンのひとつ。三大魔法学校対抗試合の第三の課題で、ハリーとセドリックは優勝杯に触れたことでリトル・ハングルトンの墓地へ飛ばされることに。そこで待ち受けていたのは、ヴォルデモートの忠実な“しもべ”のワームテール(ピーター・ペティグリュー)。呪文によって動きを封じられたハリーは、トム・リドルの墓石に縛り付けられてしまう。そして、闇の帝王ヴォルデモート復活の儀式が始まり…。

 リトル・ハングルトンの墓地は、『ハリー・ポッター』作品のなかでも最大級のスケールを誇る。美術監督のスチュアート・クレイグは、この場所を古ぼけ、打ち捨てられたイメージにしようと考えた。その結果、植物が伸び放題の荒れ地にひときわ不気味なトム・リドルの墓が建てられている。

 「墓は、グラスファイバーで組み立てられていたので、特別な下塗り塗料を使う必要があった」と語るのは、ペインター部門のポール・ウェスコット。お墓にはオフホワイト、死神には濃い茶色の下塗りを施した後、十分に乾燥させ、おがくずを使った養生作業に入る。

 水を含ませたおがくずを墓に投げつけて表面を養生し、おがくずの水分が抜けてから、コケや地衣類の色を吹き付け、再び乾燥させて色を付ける作業を何度も繰り返す。この工程が終わると、貼り付けた全てのおがくずを取り除き、着色したおがくずを苔に見立てて接着剤で再度貼り付け、長い間放置された不気味で古びたトム・リドルの墓を表現するためのエイジング加工が施される。

 特別企画「炎のゴブレット」では、高さ約3m、幅約3mのトム・リドルの墓が登場。実は、トム・リドルの墓はシリーズが進むにあたりデザインが変更されたため、2種類存在しているそう。今回スタジオツアー東京で見られるのは、『炎のゴブレット』の墓場のシーンで「ハリー・ポッターが羽交締めにされた腕をアニメーション化するために使われたもの」だとホッジスは語る。映画の緊張感と不気味さが見事に再現された展示が、訪れる人に迫力満点な体験を提供するはず。トム・リドルの墓の前に立つと、ヴォルデモートが復活した衝撃がよみがえることだろう。

 ちなみに、トム・リドルの墓の裏側には、ヴォルデモートのスタチューもあるので、背中合わせで並び合う2つを一緒に楽しみたいところ。公開から20周年経っても色褪せない本作だが、映画制作の裏側を知ることで新たな発見を得られるのも魅力。青々と燃え盛る炎のゴブレットのごとく、スタジオツアー東京にも“映画作りの情熱の炎”が静かに燃え続けている。

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