
日本の山々では、春から夏にかけて色とりどりの「高山植物」が咲き誇り、登山者の目を楽しませてくれます。限られた季節にしか見られないその美しさは、山登りの疲れを忘れさせるほどの癒しを与えてくれます。
今回は、高山植物が美しく咲き誇るおすすめの「日本百名山」をご紹介。あわせて、高山植物観賞や登山をより快適に楽しむためのおすすめグッズもピックアップします。
●高山植物が美しい「日本百名山」:苗場山(新潟県、長野県)
苗場山は、標高約2145mのなだらかな山容を持つ日本百名山で、頂上付近には約600ヘクタールもの広大な湿原が広がっています。
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夏になるとチングルマやコバイケイソウ、ワタスゲなどが咲き誇り、足元には小さな池塘(ちとう)が点在。鏡のように空を映す水面と可憐な花々の風景は、まるで高原の楽園のようです。
小赤沢3合目登山口からのコースを使えば、片道約3時間で山頂へ。比較的緩やかな傾斜が続くため、登山初心者にも挑戦しやすいコースです。
かつて「天然の苗田」とも呼ばれた山頂湿原の美しさは、写真や映像では味わえない感動があります。信仰の山としても親しまれてきた背景を知れば、旅の深みもさらに増すはず。花と湿原の絶景を満喫したい人にぴったりの一座です。
●高山植物が美しい「日本百名山」:至仏山(群馬県)
尾瀬の西にそびえる至仏山は、標高約2228mの花の名山。夏になると、黄色やピンク、紫などの色鮮やかな高山植物が山肌を彩ります。
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特徴的なのは、蛇紋岩という特異な岩石によって育まれる植物。他の尾瀬の湿原では見られない花々も咲くため、植物観察を楽しみたい人に特におすすめです。
鳩待峠から登るルートは、往復5時間ほどの道のりです。序盤には湿原の花畑が広がり、尾瀬ヶ原や燧ヶ岳を望む絶景ポイントも点在。
チングルマやハクサンチドリ、イワカガミなどが次々と現れる贅沢な時間を過ごせます。比較的なだらかで登りやすいため、登山初心者にもおすすめです。
●高山植物が美しい「日本百名山」:九重山(大分県)
“九州の屋根”とも呼ばれる九重山は、標高1700m級の峰々が連なる雄大な山域で、日本百名山で九州最高峰・中岳を含むくじゅう連山の総称。特に5月下旬から6月中旬にかけて斜面一面をピンクに染めるミヤマキリシマの群生は圧巻です。
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夏にはルリタマアザミやイブキトラノオ、秋には色鮮やかな紅葉と、季節ごとの高山植物が登山者を楽しませてくれます。
中でも標高1200mの湿原「坊ガツル」は、地下水によって維持される希少な生態系が広がる場所。ノハナショウブなどの湿原植物が咲き誇り、ラムサール条約登録湿地としても知られています。
初心者には、牧ノ戸峠から久住山を目指す往復約4時間半のルートがおすすめ。眺望に優れた道のりで日帰り可能です。
●高山植物が美しい「日本百名山」に持っていきたいグッズ
メレル「スピードストライク 2 ミッド ウォータープルーフ」
高山植物が美しく咲く山では、自然保護のために木道が伸びていることが多いです。木道は歩きやすい一方で、ぬれると滑りやすいため、グリップ力に優れたトレッキングシューズを選びましょう。
サーマレスト「キャンプシート Z シートソル」
高山植物を眺めながらのんびり休憩するのに便利なシート(携帯座布団)。折りたたみ式で軽いため、持ち歩きやすいです。
ひと目で見分ける250種 高山植物ポケット図鑑 (新潮文庫)
見頃の高山植物をより楽しむために、ポケットサイズの植物図鑑を持ち歩くのがおすすめです。