GI・2着4回から悲願の初制覇 ヴィルシーナのヴィクトリアマイルV
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2025年05月12日 07:30 netkeiba

13年のヴィクトリアマイルを制したヴィルシーナ(13年5月撮影、ユーザー提供:ひげまつりさん) 今年で20回を迎えるヴィクトリアマイル(4歳上牝・GI・芝1600m)。これまで多くの名牝が制してきたが、「悲願」の2文字が最も似合うのは13年のヴィルシーナだろう。GIで2着を数えること4回、その末に辿り着いた戴冠劇を振り返る。
ヴィルシーナは父ディープインパクト、母ハルーワスウィート、母の父Machiavellianの血統。馬主は元プロ野球選手の「大魔神」こと佐々木主浩氏だった。栗東・友道康夫厩舎に所属し、2歳夏にデビュー勝ち。3戦目のエリカ賞で牡馬相手に2勝目を挙げると、続くクイーンCで重賞初制覇。しかし、牝馬三冠はいずれもジェンティルドンナの2着に終わる。そして最大のライバルが不在だったエリザベス女王杯でも、レインボーダリアにクビ差及ばずの銀メダル。4歳の始動戦となった大阪杯(6着)をステップにして、今度こその思いを胸にヴィクトリアマイルに挑んでいた。
単勝3.1倍の1番人気に推された一戦、ヴィルシーナは好ダッシュから楽に2番手を確保。前半1000mが58秒2という淡々とした流れも味方に、手応え良く直線に向いた。直線半ばで内のマイネイサベルに前に出られたが、内田博幸騎手の右ムチに応え、残り50mで差し返す。その刹那、外からホエールキャプチャが追い上げてきたが、僅かにハナ差凌いでフィニッシュ。5回目の挑戦で遂にGIウイナーの称号をつかみ取ったのだった。
この勝利にホッとしたわけではないだろうが、ヴィルシーナは続く安田記念から6連敗を喫する。それも全てのレースが掲示板外。さすがに「終わった馬」と思われたのか、翌年のヴィクトリアマイルでは11番人気に甘んじたが、低評価をあざ笑うかのように逃げ切り。レース史上初の連覇を果たすこととなる。
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