夢を追う若者は眩しい。Xに4月下旬に投稿された『青春トリガー』は、夢に向かって真っすぐにひた走る女子学生と、夢を追うことに後ろ向きな男子学生が織りなす青春漫画だ。
アイドルを夢見て教室内でダンスの動画を撮影している木崎。ただ、そんなひたむきな木崎にクラスメイトの篠原は「アイドルなんて本気でなれると思ってんの?」と吐き捨てる。怒り心頭の木崎ではあるが、その後も腐ることなく元気にダンスの練習に取り組んでいると、ふいに篠原に話しかけられる――。
作画もストーリーも眩しすぎる本作の作者・七瀬えかさん(@Eka530)に制作秘話など話を聞いた。(望月悠木)
◼︎最強のアイドル像は
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――今回『青春トリガー』を制作した背景を教えてください。
七瀬:出版社への持ち込みや、投稿をするために制作したのが本作です。もともとアイドルや音楽が好きなので、「親しみのあるものを題材に描こう」と思いました。
——題材が決まり、具体的な設定はどのように膨らませていきましたか?
七瀬:“アイドルという夢にまっすぐな女の子”が描きたかったことに加え、その姿に影響を受ける暗めな男の子が描きたくて自然に骨組みが決まっていった感じです。
——篠原が追っている夢を「ミュージシャン(作曲家)」にした理由は?
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七瀬:木崎の「アイドルになりたい」という夢を応援してくれる男の子のキャラがほしいと考え、「どうせなら一緒に夢を追いかけられるほうがいい」と思いました。その結果、アイドルと関係性が高い「作曲家」を選びました。
――ラブストーリーになりそうな設定ではありましたが、そうはならない内容でしたね。
七瀬:ラブストーリーにしなかったのは、“恋愛をしない夢にまっすぐなアイドル”が私の中で最強のアイドル像だったからです。でも、「アイドルを卒業するころに2人の恋が始まったらいいな」とは思っています!
——とはいえ、恋愛要素やどんでん返しなどがないぶん、ストーリーを制作するのは難しかったのでは?
七瀬:「恋愛要素やどんでん返しがあったらもっとストーリーに波を作れたのかな」と思っています。投稿した出版社の担当者さんにも「盛り上がりに欠ける」と指摘してもらい、そこは反省点です。ただ、元気な女の子とテンション低めな男の子は描きやすいので、キャラは動かしやすかったです。
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——キラキラしている背景が印象的で、だからこそ若者の輝かしい未来を感じました。
七瀬:少女漫画として描き始めたのでキラキラ感が強めだったのだと思います。アイドルっぽい女の子には自然とキラキラしたオーラを纏わせたくなります。
――最後に今後の漫画制作における目標を教えてください。
七瀬:商業で漫画を描かせてもらうことが一番の目標です。今は描くことで精いっぱいなのですが、「読者さんにとってどういう作品なら楽しんでもらえるのか」ということまで考えられるような漫画家になりたいです。1人でも多くの人に何かしらの感情を届けられたらいいなと思って前に進んでいけたらと思っています。
(文・取材=望月悠木)
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