Apple、アクセシビリティ新機能を発表、ラベル表示やMac用拡大鏡など 今年後半導入へ

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2025年05月14日 10:01  マイナビニュース

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5月の第3木曜日は「Global Accessibility Awareness Day」である(今年は5月15日)。障がいのある人々が情報やサービスへ円滑にアクセスできる環境、アクセシビリティの重要性について考えるこの日に先立ち、米Appleは5月13日(現地時間)に、今年後半に提供予定の新たなアクセシビリティ機能を発表した。

○Accessibility Nutrition Label



「Accessibility Nutrition Label」は、AppleがApp Storeで提供している「プライバシーラベル」のアクセシビリティ版と位置づけられる機能である。App Storeの製品ページにおいて、アプリがサポートしているアクセシビリティ機能を、ユーザーがアプリを探している段階で簡単に確認できるようにする。表示項目には、VoiceOver、音声コントロール、大きなテキスト、十分なコントラスト、動きの低減、字幕などが含まれる予定だ。


Six Colorsによると、Appleは自社製アプリにもこのラベルを適用する予定であり、またWWDC 2015でこのラベルの活用方法のデモンストレーションを披露する。

○Mac版「拡大鏡」「車両モーションキュー」



2016年からiOSやiPadOSに提供されてきた「拡大鏡」アプリがMacにも登場する。



書類やホワイトボードなど視認が困難な際に、Macで利用できるカメラを通してMac上で対象を拡大表示できる。iPhoneをMacのWebカメラとして使う「連係カメラ」も使用でき、机を上から見た映像を表示する「デスクビュー」もサポートする。複数のライブセッションウィンドウを開くことで、プレゼンテーションを視聴しながら、同時にデスクビューでデスクに置いた書類の内容を追うといったマルチタスク作業も可能である。画面の明るさ、コントラスト、カラーフィルター、遠近感などを調整することで、ユーザーの見やすさに合わせたカスタマイズが可能となる。


また、昨年iOS・iPadOSに搭載された「車両モーションキュー」をMacでも利用できるようになる。これは、画面に表示される複数のドットが車両の動きに合わせて動くことで、視覚と内耳の感覚のズレを補正し、乗り物酔いを軽減するというものである。 iOS・iPadOS用についても、アップデートでドットの動きをさらにカスタマイズできる新オプションが追加される予定である。


○Accessibility Reader

ディスレクシアや弱視など、テキストの読み取りが困難な障がいを持つユーザーのために設計された、新たなシステム全体にわたる読み取りモードである。iPhone、iPad、Mac、Apple Vision Proで利用でき、フォント、色、間隔などを細かく調整でき、音声読み上げ機能も備えている。どのアプリからでも呼び出すことが可能。加えて、拡大鏡アプリとの連携により、紙の書籍やレストランのメニューなど印刷物のテキストにも利用できる。


○Apple Watchでライブキャプション



Apple Watchに「ライブリスニング」のコントロールが追加され、これにともない「ライブキャプション」がサポートされる。



ライブリスニングはiPhoneをリモートマイクとして使用し、AirPods、Beatsヘッドホン、Made for iPhone対応の補聴器に音声をストリーミングする機能である。今回のアップデートにより、ユーザーは音声を聴きながら、同時にペアリングされたApple Watchでその内容をライブキャプションとして表示して確認できる。Apple Watchはリモートコントロールとして機能し、セッションの開始・停止、聞き逃した部分の巻き戻しといった操作を行える。


○Apple Vision Pro:視覚アクセシビリティ強化



Apple Vision Proのカメラシステムを活用した視覚アクセシビリティ機能が拡張される。ズーム機能の強化により、視野内のもの(周囲の環境を含む)をメインカメラで拡大表示できる。また、オンデバイスの機械学習を活用した「ライブ認識」で、周囲の説明、ものの検出、文書の読み上げといったリアルタイムの支援を実現する。


○Braille Access



iPhone、iPad、Mac、Apple Vision Proを、多機能な点字メモツールとして利用できる新機能。内蔵のアプリランチャーにより、ユーザーはBraille Screen Input(点字スクリーン入力)や接続された点字デバイスを使って、任意のアプリを素早く起動できる。



ネメス点字(数学や科学の記述に用いられる点字コード)による計算、Braille Ready Format(BRF)ファイルの閲覧に対応。また、ライブキャプション機能と連携し、会話内容をリアルタイムで点字ディスプレイに表示することができる。(Yoichi Yamashita)

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