スマホの防水対策を解説 スマートフォン(スマホ)は精密機器で、防水機能が搭載されていても完全防水ではないため、水濡れには十分に注意が必要です。そこで、スマホの防水機能について解説するとともに水濡れ・結露を防ぐ方法も紹介します。
その他の画像はこちら●スマホの防水機能について
まずは、スマホの防水機能について解説します。
防水機能の効果
スマホに搭載されている防水機能は、完全防水ではないため注意しましょう。防水機能は、「IP〇〇」という形で表示されており、「IP=防塵度合い+防水度合い」という意味です。つまり「IP56」であれば、5等級の防塵レベルと、6等級の防水レベルを備えていることを意味します。
IP等級と防水保護レベルは、次の通りです。
・IPX0:防水性能はない
・IPX1:垂直方向から落ちてくる水滴による有害な影響はない
・IPX2:垂直方向より左右それぞれ15度以内の雨による有害な影響はない
・IPX3:垂直方向より左右それぞれ60度以内からの雨による有害な影響はない
・IPX4:全方位からの水の飛沫による有害な影響はない
・IPX5:全方位からの水の直接噴流に対しても有害な影響はない
・IPX6:全方位からの水の強い直接噴流に対しても有害な影響はない
・IPX7:スマホを規定の圧力・時間で水中に入れても水が侵入しない
・IPX8:スマホの水中での使用が可能(メーカー・機器による規定あり)
シーン別防水効果
次に、雨の日や海水・プール、お風呂など、シーン別での影響について解説します。
(1)雨
雨による影響は、IPの数値が高ければ少ないとされています。しかし、豪雨の中で濡れながらスマホを使用したり、カバンやポケットにスマホを入れたまま長時間雨水に濡れた状態が続いたりすると、水が本体内部に浸入して故障する原因になるため、注意しましょう。
(2)海水・プール
海水やプールの水には、塩分や塩素が含まれています。それらの影響でスマホの基板を損傷させたり、内部でショートを起こしたりする恐れがあるため、海やプールで使用する際には注意しましょう。
(3)お風呂
スマホの防水機能には、石鹸や入浴剤などが触れることが想定されていません(一部お風呂での使用を可としているものもあり)。また、暖かい浴室内にスマホを持ち込んで、浴室外の冷たい外気に触れると、温度変化でスマホ内部に水分が生じて故障の原因となる恐れがあります。
いわゆる「スマホ結露」という現象です。この事象は意外と知られていない水没の一種であるため、注意しましょう。
●意外な水没「スマホ結露」にも注意
それでは、スマホ結露についても詳しく解説します。
スマホ結露は、意外と知られていない水没の一種です。そもそも結露とは、急激な温度変化が原因で空気中の水分が水滴になる現象のことを指します。結露は、窓ガラスやグラスなどでよく見かけますが、スマホでも発生する現象です。
スマホ内部が結露すると、不具合が生じるほか、故障につながる恐れもあります。特に、スマホが急激な温度変化にさらされやすい夏場や冬場などには注意しましょう。
スマホの結露が発生しやすい状況は、次の通りです。
・冷たい外気(暑い外気)に触れたあと、暖かい(寒い)室内に入る
・スマホをお風呂・サウナに持ち込む
・スマホを直射日光が当たる場所に置く
●スマホが結露したらどうなる?
スマホが結露することによって、次のような不具合が生じます。場合によっては、発火の恐れもあるため注意しましょう。
・充電/バッテリーの不具合
・操作の不具合
・発火
・データ消失
など
●スマホが結露した場合の対応
スマホが結露した場合、どういった対応が必要なのでしょうか。誤った方法で対処すると、不具合や故障をさらに招く恐れがあるため注意しましょう。
(1)OKの対応
・除湿する
・修理に出す
スマホが結露した場合、適切に除湿することが求められます。密閉できる袋や容器にスマホ(電源を切る)と乾燥材を入れて、しばらく放置しましょう。
また、速やかに修理に出すのも効果的です。自分で対処するのではなく、プロに任せることで被害を最小限に抑えられます。
(2)NGの対応
・ドライヤーで乾かす
・冷蔵庫に入れる
結露したスマホを冷蔵庫に入れて冷やしても、結露した水分が乾くことはありません。むしろ、冷蔵庫に入れたタイミングや冷蔵庫から取り出したタイミングで急激な温度変化が生じ、結露がさらに発生する恐れもあります。
また、結露をドライヤーで乾かす方法もNGです。精密機械であるスマホは熱に弱いため、ドライヤーを当てること自体がNGとされます。
●スマホの水濡れ・結露を防ぐ方法
スマホの水濡れ・結露を防ぐ方法を解説します。代表的な方法は、次の二つです。スマホが水に濡れていなくても、湿気などで予期せぬ水没状態になることもあります。以下を参考に、大切なスマホを守りましょう。
スマホケースを活用する
手軽に取り入れられる方法が、スマホケース・カバーの活用です。スマホ用の防寒カバーなどを活用すれば、外気から手軽に守れます。
スマホを外気になじませる
結露は、急激な温度変化によって生じます。温度変化の生じる可能性がある状況でスマホを使用する場合、まず外気にスマホをなじませてから使用することを心がけましょう。
外気になじませるための方法としては、次のようなものが挙げられます。
・外出時にポケットやバッグにスマホを入れておく
・寒い時期には、スマホを寒暖差のないところへ置くようにする
●防水対策をしっかり行おう
スマホは、雨や水で濡れる以外にも、湿気や結露によって予期せぬ水没を起こす恐れがあります。その際、頼りになる防水機能は等級によって保護レベルが異なるほか、完全に防水できるとは限らないことは理解しておきましょう。
予期せぬ水濡れ・結露を防ぐためにも、しっかりと対策をすることが重要です。記事で紹介した方法で、愛用のスマホを水濡れ・結露から守りましょう。