18年にオークスを制したアーモンドアイ(撮影:下野雄規) 5月25日(日)に東京競馬場で行われるオークス(3歳牝・GI・芝2400m)。世代の最強女王を決する一戦は、これまで数多くの名ドラマを生んできた。今年は桜花賞馬のエンブロイダリーを筆頭に、巻き返しを図るアルマヴェローチェ、フローラSから戴冠狙うカムニャックなど好メンバーがエントリーしている。本稿ではそんな大一番を前に、歴代勝ち時計をランキング形式で紹介する。
■5位 2分23秒9 2022年 スターズオンアース
2戦目に初勝利を記録したのち、赤松賞3着、フェアリーSとクイーンCで2着と善戦続き。桜花賞は7番人気だったが、他馬と接触しながらハナ差の接戦をものにしてビッグタイトルを獲得。オークスでは8枠18番と決して恵まれた枠にはならなかったが、ルメール騎手が中団で折り合いを付けて追走。直線は残り100mほどでスタニングローズをとらえて先頭に立ち、そのまま押し切って二冠を達成した。秋華賞は3着で快挙はならなかったが、4歳時には大阪杯やジャパンC、有馬記念でも好走するなど、牡馬相手にも健闘した。
■4位 2分23秒8 2018年 アーモンドアイ
新馬戦こそ先行馬の押し切りを許したが、秋の未勝利戦で初白星を飾ると、年明けのシンザン記念を快勝して重賞初制覇。続く桜花賞は16番手から豪快に差し切り、2歳女王ラッキーライラックから三冠ロードの主役を奪う。初陣から4戦連続で出遅れていたが、オークスではまずまずのスタートを決め5、6番手を追走。そうなれば不安点は無く、ルメール騎手は勝負どころから自信たっぷりに追い出して2馬身差を付ける快勝劇を見せた。秋には秋華賞を制して歴史に名を刻み、古馬になってからは芝GI・9勝まで数字を伸ばした。
■3位 2分23秒6 2012年 ジェンティルドンナ
デビュー戦は不良馬場も響いたか2着に敗れるも、翌月の未勝利戦で期待通りに快勝。勢いそのままに年明けのシンザン記念で初タイトルをつかんだ。前哨戦のチューリップ賞は中間の熱発の影響か4着だったが、桜花賞で巻き返して一冠目獲得。ところが、オークスでは距離不安がささやかれ3番人気の評価となる。これに反発したか、レースでは驚愕の走りを披露。4角15番手から鋭く脚を伸ばしたジェンティルドンナは、あっという間に各馬をとらえて5馬身差を付けた。秋には牝馬三冠を達成。生涯でGI・7勝を挙げた。
■2位 2分23秒1 2023年 リバティアイランド
新潟芝マイルで行われた新馬戦では、上がり31.4秒と目の覚めるような末脚を披露し、非凡な才能を見せつける。続くアルテミスSは直線で進路が無く2着に敗れたが、暮れの阪神JFを2馬身半差で制し、最優秀2歳牝馬に選出。年明けは桜花賞に直行し、4角16番手の絶望的なポジションからの差し切りと、驚愕のパフォーマンスを披露した。オークスでも単勝1.4倍の圧倒的な1番人気に支持され、期待通りに84年グレード制導入以降レース史上最大着差の6馬身差勝ち。秋には秋華賞を1馬身差で快勝し、史上7頭目となる牝馬三冠を達成した。
■1位 2分22秒8 2019年 ラヴズオンリーユー
並みいる牝馬三冠馬を押さえて最速タイムで駆け抜けたのは、のちに海外G1・3勝を挙げる世界の名牝だった。新馬戦を1.1/4馬身差、続く白菊賞を1.3/4馬身差、年明け始動戦の忘れな草賞を3馬身差で圧勝。3戦連続で上がり最速も記録し、そのスケールの大きさから、重賞未勝利ながらオークスでも1番人気に支持された。レースは1000m通過59.1秒のミドルラップを中団で構え、直線に入ると馬場の中央を鋭く伸びる。最後はカレンブーケドールをクビ差とらえ、無傷4連勝で世代最強女王の座を射止めた。