収容情報が途絶えた動物愛護センターのワンコ…もしや? 殺処分の淵から第二の犬生をつかんだ柴犬の物語

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2025年05月19日 17:40  まいどなニュース

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元飼い主と離ればなれとなり、一時動物愛護センターに収容されるも「収容情報」から削除された柴犬・たく

2024年7月、東京都動物愛護相談センターに収容された柴犬・たく。

【写真】他のワンコが寝ているベッドに…

元々は高齢の飼い主さんのもとでたっぷりの愛情を受けて過ごしていたワンコですが、飼い主さんが施設に入ることとなり、身内でたくを受け入れる人が見つからなかったことからセンター収容となりました。

センターでは収容当初に「そのワンコの情報」を公開し、引き取り手や保護団体からの申し出を待ちますが、一定期間が過ぎると情報が削除されます。その後は生涯センターで過ごすことになるか、最悪では殺処分になることもあります。

実はセンター収容当初にたくの存在を知り、思いを寄せていた人がいました。愛護団体、アイドッグ・レスキュー隊のスタッフでした。

里親希望者さんの手配をし団体が保護

各動物保護団体では常にキャパいっぱい、あるいはキャパオーバーの保護犬・保護猫のお世話をしているものです。たくを気にかけていた団体スタッフも、そういった事情からすぐには保護に踏み出せないままでした。しかし、センターで「たくの情報」が消えたことを受けて、「なんとかしてたくを救いたい」と引き取りを決意。

同時に、先立って団体側に申し出てくれている里親希望者さんのうち「柴犬を飼いたい」という人複数に声をかけ、めぼしい譲渡先も見つけました。

良かった、これでたくが最悪の事態をまぬがれ、その犬生が寂しいものではなくなったと一時は喜びました。

アテにしていた里親希望者さんからの残念な返答

しかし、当初は「たくを迎え入れる」と言ってくれていた里親希望者さんが、「面倒を見きれる約束ができない」とキャンセル。たくは、団体のもとでゼロスタートで「ずっとのお家」を探し続けることになりました。

たくはザ・柴犬な性格で、テリトリー意識が強くてヤキモチ焼き。先住犬とそう頻繁にいさかいを起こすことはない一方で「俺様」なヤンチャな一面があり他のワンコが寝ているベッドにわざわざ入ってきて、さりげなく占領するようなことも。

しかし、一度心を開いた人にはベタベタの甘えん坊。いつも真っ直ぐな瞳で人間を見つめ、目が合えば嬉しそうな笑顔を浮かべるかわいいワンコでした。

トライアル初日からパパさん・ママさんの布団の中へ

それから数カ月。ついにたくの元に吉報が舞い込みました。「うちの家族になってほしい」と言う里親希望者さんからの申し出です。

しかし、前述の通りのザ・柴犬な性格のたくなので、まずは里親希望者さんのお家に本当に馴染むことができるのか念入りなトライアルを実施することに。

しかし、意外にもたくはトライアル初日から、里親希望者さんのパパさん・ママさんの布団に潜り込み一緒に寝てしまったのです。

もしかしたらたく自身もこの優しい里親希望者さんこそが、「自分の本当の家族なのだ」と察していたのかもしれません。

凛々しくなったたくの姿がそこにあった

果たしてたくは、ここで正式譲渡。見事幸せな第二の犬生を迎えることができました。

正式譲渡からしばらくして、里親さんから団体の元へ、直近のたくの写真が送られてきました。そこに映るたくは実に凛々しく、いっさいの不安のない表情を浮かべていました。

たくがピッタリの里親さんと結ばれて本当に良かったです。これからも優しい里親さんのもとで、いつまでもいっぱい甘えて元気に過ごしてほしいなと思いました。

(まいどなニュース特約・松田 義人)

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