コスモ、東京都の「家庭の油 回収キャンペーン」と連携してSAF原料化に向けた食用油回収を拡大

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2025年05月20日 08:00  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
コスモ石油、日揮ホールディングスならびにレボインターナショナルはこのほど、5月2日から東京都が実施している「家庭の油 回収キャンペーン」と連携し、SAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料)原料化を目的とする家庭系廃食用油の回収拡大に向けた取り組みを開始した。


○■キャンペーンで回収された廃食用油をSAFとして活用、CO2削減に貢献



コスモ石油、日揮HD、レボインターナショナルは東京都が推進する「廃食用油回収促進に係る事業提案」に採択され、2023年8月に東京都と協定を締結。以降、東京都との協定に基づく取り組みを開始し、2024年3月には「東京 油で空飛ぶ 大作戦〜Tokyo Fry to Fly Project〜」を展開していくことを発表し、都内での廃食用油回収促進を進めてきた。



今年9月に開催される「東京2025世界陸上」では、200を超える国・地域から約2,000人のアスリートが東京に集まる。アスリートの移動にも使われるSAFの活用に向け、東京都は「東京2025世界陸上」と連携した「家庭の油 回収キャンペーン」を展開している。



このキャンペーンで回収された廃食用油を、コスモ石油、日揮HD、レボインターナショナルが出資しているSAF製造事業会社であるSAFFAIRE SKY ENERGYにてSAFに精製し活用することで、航空機から排出されるCO2削減に貢献する。



今回の発表に際してコスモ石油、日揮HD、レボインターナショナルは、「今後も東京都との連携などにより、SAFの普及を通じて持続可能な社会の実現に向けた取り組みを推進してまいります」とコメントした。

○【各社の役割について】



東京都は、都庁舎や区市町村に廃食用油の回収所を設置し、回収を呼び掛ける。



日揮HDは、回収に必要な備品発注等の協力を行い、レボインターナショナルが廃食用油を回収。SAFFAIRE SKY ENERGYは国内唯一のSAF大規模製造設備(大阪府堺市)において、廃食用油からSAFを精製する。

コスモ石油は航空会社へのSAF供給を行う。供給されたSAFの一部は羽田空港において使用される見込みだ。

○【実施期間】



・2025(令和7)年5月2日から10月31日まで

○【回収場所】



(1)区市町村

・都内約80カ所

 

(2)都庁舎

・東京都庁第一本庁舎2階北側 展示スペース

○【国内初のSAF大規模生産事業の概要】



コスモ石油、日揮HD、レボインターナショナルは2020年から共同でSAFのサプライチェーン構築に向けて事業化検討を進め、2021年にNEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「国産廃食用油を原料とするSAF製造サプライチェーンモデルの構築」助成事業に採択された。2022年11月1日付で新会社SAFFAIRE SKY ENERGYを設立、年間約3万キロリットルのSAF製造設備を2024年12月に完工し、2025年4月からSAF供給を開始した。供給するSAFは、持続可能な製品の国際的な認証制度であるISCC CORSIA認証、ISCC EU認証を取得済みであり、同認証取得により原料から供給まで国内で完結する国産SAFの提供体制が国際的な基準で認められている。


○【東京都の廃食用油回収促進に係る事業】



日揮HDとレボインターナショナルは、コスモ石油と共同で、東京都が推進する「廃食用油回収促進に係る事業提案」に採択され、2023年8月に東京都と協定を締結した。この協定は、SAFの原料となる廃食用油回収の拡大を図り、SAF製造へつなげる新たなサプライチェーン構築の推進を目的としている。同事業では、東京都と共に、2023年8月から2026年3月にかけて「家庭系廃食用油の回収」「SAF製造・利用に関する教育活動」「SAFイベント・キャンペーンの実施」「回収した廃食用油のSAF利用可否に関する検討」という4つの取り組みを推進している。また「東京 油で空飛ぶ 大作戦〜Tokyo Fry to Fly Project〜」の一環として、コスモエネルギーグループの東京都内サービスステーションで廃食用油の市民回収実証を行っている。(エボル)

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