ビートたけしが25日、テレビ朝日系「ビートたけしのTVタックル」(日曜正午)に出演。「コメ売る程ある」発言で事実上更迭された江藤拓前農相の後任に小泉進次郎農相が就任した話題に関連し、「JAの役割ってあんのかなぁ」と疑問を投げかけた。
番組では、東大大学院鈴木宣弘特任教授の、JAのシェアが2024年は3割程度に落ち込んでおり、大きな農家は個別に自分で販路を見つけた方がメリットがあり、JAを通さないで自前で販売する流れが強まってきているの話を紹介。
たけしは「いまこんだけネットで検索していろんなものが出てきちゃうと、JAの役割ってあんのかな?」と問いかけた。
元JA全農常務理事の久保田治己氏は「昨年度のコメの集荷が、農協はまあ、買い負けたといいますかね。全体で1割から2割くらい集荷数量が減っているわけですね。業者の方が農家の庭先に行って、農協は先に概算金を出すんですけど、それより高い値段で、業者の方が農家の方に言って、農家から直接仕入れをされた」と解説した。
また「その結果、さらに農協が上値をさせばいいんですけど、農協の方はあまり値段をつり上げても、消費者が買われる価格が高くなると、コメの消費が減るということを知っている。過去にそういうことがありましてね、農水省の計算だと1年間で8万トンくらい減るだろうと言われていた時にある年、20万トン減った。想定外だったんですが、コンビニのおにぎりの大きさがちょっと小さくなっちゃいましたとか、牛丼屋さんの盛りがちょっと小さくなったとか、あっという間に何万トンという数字が減った。だから、価格が高くなればいいということでは絶対にない」と、JA以外の業者に仕入れで負けた背景を解説した。
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進行の阿川佐和子から「久保田さんは、JAに入る前、JAいろいろ問題があるだろうということで、入ってみて、今の現状で問題点はどこにあると思いますか」と問われると「私は東京で生まれ育ちましたので、農協ってまったく知らずに育ったんです。農協ってうさんくさいヤツだと思ってましてね、大学では農学部でいろいろ勉強したんですけど、どうもやっぱり、農協のことって分からないんですよ。なので、全農に入って、こいつらが本当にひどいやつだったら、内部から改革してやろう、ぶっ壊してやろうと思って入った」と全農入りの経緯を説明。
実際に入ったところ「我々が一番戦った相手はやっぱり国」だっと明かした。久保田氏は「農家の手取りが減るような農業改革をずっとしてくるわけですよ。つまり、保護率を下げる。だから我々は農家が作ってる団体ですから、農家の利益を守りたいわけで、そこで戦うことになるわけですね。そうすると、どんどんどんどん前線を退かなきゃいけない。それが私が全農にいた41年間のぐらいの結果で」と振り返った。「結果からすると日本の食料自給率は下がり続けたし減り続けたし、農協も収益が立ち行かなくなって合併をして大きくなることによってコストダウンを図っていくという変化をしてきた」という。
阿川から「なんで農水省に負けちゃうんですか」と問われ「補助金みたいなものが減ってきた」と端的に回答した。
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