
日本住宅のモダニズム建築代表作とされる重要文化財・聴竹居(ちょうちくきょ)(京都府大山崎町大山崎)についてのシンポジウム「藤井厚二が想い描いた和文化の理想像」が、大山崎ふるさとセンター(同)であった。建築家らが聴竹居を設計した藤井の日本住宅への思いをひもといた。
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日本が誇る優れた作品を顕彰する「日本和文化グランプリ」の準グランプリを、地元の管理団体「聴竹居倶楽部(くらぶ)」と竹中工務店が共同で受賞したのを記念して、両者が企画した。同倶楽部の松隈章代表理事が聞き手になり、審査員の建築家、堀越英嗣・芝浦工業大名誉教授と、襟川文恵・横浜市芸術文化振興財団横浜美術館渉外担当リーダーが語り合った。
聴竹居は、竹中工務店を経て京都帝国大教授を務めた藤井が、1928年に自邸として建てた。日本の気候風土や日本人の感性と調和しつつ、家電や椅子といった西洋的な生活を取り入れた当時最先端の住宅とされる。
襟川さんは初めて聴竹居に入った感想を「日本の風土に合わせて発展してきたものの大事さを見据えながら、西洋から入ってきた便利なものをうまく生かしている。現代のわれわれも身を置きやすい」と紹介。受賞について「100年前のプロジェクトをもう一度ひもといて、次の100年につなげていこうというサイクルのきっかけになるのでは」と期待を寄せた。
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堀越さんは「藤井はわれわれに問いかけている。1928年に日本はこういうものを造らなきゃいけないんじゃないの、と。問いかけなので古くならない。その時代で収まった答えではない」と説明。「西洋のまねをしてきたが立ち行かなくなり、自分たちの身の丈にあったものに改良していこうという動きが民芸やさまざまなアート分野であった。建築でそれをリードしたのが藤井」と解説した。
また建築の工夫や演出について、堀越さんは写真を見せながら「常に新しい発見がある。常に原点に戻っていたから、ほかにはないアプローチになった」と語った。和装を好む襟川さんは、和装で家事をしたり、座ったりしやすい工夫がされていると感嘆していた。
(まいどなニュース/京都新聞)
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