日本ダービー2025に出走予定のクロワデュノール(24年12月撮影、ユーザー提供:りりさん) 今年の日本ダービー(3歳牡牝・GI・芝2400m)は血統の話題が豊富だ。2歳王者のクロワデュノール(牡3、栗東・斉藤崇史厩舎)も例外ではない。サクラバクシンオーの血を引く馬として初の日本ダービー制覇がかかっているからだ。
サクラバクシンオーは90年代前半に一時代を築いた名スプリンターである。93年と94年のスプリンターズSを連覇するなど、1400m以下では12戦11勝とほぼパーフェクト。タイキシャトルやロードカナロアを抑え、日本競馬史上最強スプリンターに推す声も少なくない。種牡馬としても優秀で、ショウナンカンプ、グランプリボス、ビッグアーサー、ブランディスと4頭のGI馬を輩出。また、母の父としてもキタサンブラックやサトノレーヴ、ファストフォースなどを送り出している。ただ、その血を引く馬の主戦場はマイル以下。日本ダービーには4頭が出走し、24年のシュガークンの7着が最高着順。あのキタサンブラックは15年に生涯唯一の2桁着順となる14着に沈んでいる。
今年こそは「バクシンオーの血」が競馬の祭典を制するか。クロワデュノールは父のキタサンブラックを通してサクラバクシンオーの血を持っている。2歳時に無傷の3連勝でホープフルSを制覇。今年初戦の皐月賞では2着に敗れたが、休み明けで良化途上だったことや、道中の不利を考慮すれば、決して悲観する内容ではなかった。迎える大一番は明らかに前走以上の雰囲気なので、巻き返しの可能性大だ。
追い風もある。実は先週のオークスはサクラバクシンオーの孫と曾孫のワンツーだったのだ。勢いに乗って今週も─。クロワデュノールが天国の曽祖父に勝利を捧げるとともに、世代の頂点に就くことを期待したい。
【サクラバクシンオーの血を引く馬の日本ダービー成績】
※母の父サクラバクシンオー
・09年9着トップカミング(17番人気)
・10年17着シャイン(16番人気)
・15年14着キタサンブラック(6番人気)
・24年7着シュガークン(8番人気)
※キタサンブラック産駒
・22年2着イクイノックス(2番人気)
・23年2着ソールオリエンス(1番人気)
・23年17着スキルヴィング(2番人気)