『楳図かずお サバラ!お別れの会』祭壇 (C)ORICON NewS inc. 昨年10月28日に亡くなった漫画家の楳図かずおさん(享年88)のお別れの会『楳図かずお サバラ! お別れの会』が28日、都内で営まれた。
【写真】グワシ!らしさが光った楳図かずおさんの祭壇
幅7.2メートル、高さ1.5メートルの祭壇には、楳図さんのトレードマークである赤と白のボーダーをイメージしたデザイン。胡蝶蘭、バラ、アルストロメリア、ガーベラ、ヒペリカムも、カーネーション、スプレーカーネーション、スプレーマム、レモンリーフといったさまざまな赤白の花で彩られた。遺影は、吉祥寺にある自宅マンションでの取材中に撮影されたもので、自身はできなかったという”グワシ!!”のハンドサインを形にした「グワシハンド」を手にポーズを決めた写真が選ばれた。
展示室では、楳図さんの作品などが展示された。70年にわたり楳図さんが生み出してきた漫画作品の数々や受賞したトロフィーのほか、実際に楳図さんが使っていたデスクと椅子、語学の勉強に使っていたテキストと録音テープに愛用のラジオ、聞いていたCD、さらには愛用の普段着、赤白ボーダーコレクション、イベントや取材で活躍したグワシハンドなど19展示がずらりと並んだ。
お別れの会第1部には、関係者約300人が参列。一般社団法人UMEZUの代表理事・上野勇介氏があいさつ。楳図さんを偲ぶ言葉を述べたあと、「楳図さんらしく」と呼びかけ会場全員で「グワシ!!」。別れのさみしさを払拭するような明るい開会となった。
弔辞は、漫画家の里中満智子氏、伊藤潤二氏、高橋のぼる氏、タレントの中川翔子が参列者を代表。「先生、本当にお別れなんで信じられません」と語りはじめた中川は、楳図さんとのエピソードを披露。「先生とデートさせていただいた日、先生はご自身で作られたグワシハンドを投げっこしようと言ってくださり、投げるのが本当に上手でした」とし「どっちが勝ったかわかりませんでした」とぽつり。最後には「グワシ!!サバラ!またね!」としめくくった。
なお、第2部の一般の部は、17時から開式される予定となっている。
楳図さんは1936年、和歌山県高野山に生まれ、奈良県で育つ。小学校4年生で漫画を描き始め、高校3年生の時、『別世界』『森の兄妹』をトモブック社から単行本で出版し、デビュー。『へび少女』『猫目小僧』などのヒット作により、“ホラー漫画の神様”と呼ばれる一方、『まことちゃん』でギャグの才能も発揮。作中のギャグ“グワシ”は社会現象となった。
このほか、『おろち』『洗礼』『わたしは真悟』『神の左手悪魔の右手』『14歳』など、数多くのヒット作を生み出す。2022年、27年ぶりの新作『20KU-SHINGO』を発表。その他、タレント、歌手、映画監督など多数の肩書きを持ち、さまざまなジャンルで活躍。75年『漂流教室』ほかで第20回小学館漫画賞受賞、18年『わたしは真悟』で仏・アングレーム国際漫画祭「遺産賞」受賞、19年文化庁長官表彰受賞、23年第27回手塚治虫文化賞・特別賞受賞。