
子どもをもつ親にとって避けては通れないのが、わが子の所属する団体の役員や係ではないでしょうか。「引き受けたくない」という声がある一方で、やってよかったというポジティブな声も聞かれます。そこで今回ママスタセレクトでは「お子さんの園・学校・地域・クラブの役員や係になったことがありますか?」というアンケートを実施。ママたちから率直な声が集まりました。
学校や園の役員、どれくらいのママが経験している?

選択肢に「ある」「ない」「その他」の3つを設定したところ、1,100人を超えるママたちが回答を寄せてくれました。なかでも最多は「ある」と答えたママたちで全体の74.3%を占めました。一方で「ない」と答えたママたちは20.8%、「その他」は4.9%という結果に。大多数の保護者が何らかの役員・係を経験していることがわかります。
経験者のリアルな声からみえるメリットとは
「ある」を選択したママたちに、実際に取り組んだ内容や感想についても聞きました。なかでも多く寄せられたのが「経験してよかった」という前向きな感想です。メリットには大きくわけて次の4つがあげられました。
1:親同士・先生とのつながりができる
『保育園では保護者会会長、小学校では会計をしている。ママ友が増えたことが何よりもよかった!』
『執行部。先生の顔を覚えたし、話しやすくなった』
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『異学年の知り合いがたくさんできたので、話を聞かせてもらえて助かった』先輩お母さんの経験談は何よりも身近で心強い情報源。数年先のわが子の様子が想像できるのも助かりますね。
『卒園アルバム係。係をやったことでママ友ができたから、やってよかったと思っている』この方は係を引き受けるまで「ママ友がゼロ」だったのだとか。ママ友ができないと悩んでいるママは、思い切って係を引き受けてみてもいいかもしれませんね。
2:子どもの様子がみえる・学校のことがよくわかる
『これまでに数えきれないほどの係や役員をやってきた。どれも子どもたちの様子がわかってよかった』
『保育園の保護者会長。園への出入りが増えて楽しい』
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3:自身のスキルや趣味が広がった
こんなメリットを語るママもいます。
『幼稚園のバザー班。ミシン教えてもらったおかげで、自分でもいろいろと作れるようになった』
『幼稚園でお遊戯会の衣装係。ハンドメイドにハマるきっかけになった』自身の趣味が広がるきっかけを作ってくれた、というわけですね。
4:子どものために貢献できる達成感
『小学校PTA。子どもたちのために何かするって楽しい!』
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『年に一度のハロウィンのお祭りにカを入れている。子どもたちが喜ぶことを皆で考えるのはとっても楽しい』頑張るママたちのモチベーションは、何といっても「子どもたちの笑顔のため」。子どもたちが喜んでくれることを力に、一致団結して協力し合っているということです。さらに、「一緒に頑張った仲間との絆ができた」ということにもつながれば、なお最高ですね。
経験者が語る役員や係の「大変さ」と「課題」
数は少ないものの、デメリットを語るママたちもいました。
1:働きながらの両立が大変
『PTAの本部役員だったが、仕事との両立は本当に大変だった』
『地区役員と広報。どちらも平日に活動する仕組みになっていて、ワーママには厳しかった』役員や係の活動日が平日の昼間ばかりだと、働いているママにとっては参加が難しいこともあるでしょう。ただでさえ忙しいママたち。家事・育児に加えて役員(係)活動ともなると、いくら時間があっても足りない! と思うこともありそうです。
2:人間関係のストレス
『一緒に組む相手によっては大変だという話もよく聞く。自分も「あの保護者とはできないな」と思う人もいるし』「人間関係の煩わしさ」を懸念して、引き受けることを躊躇う(ためらう)人も少なくなさそうです。
『わが家はひとりっ子。役員を決めるとき「○○ちゃんのお母さんは子どもが1人しかいないのでお願いします」と言われるのがとても嫌だった』役員は平等に決めるものだと思いますが、確かにそのような雰囲気はありそうです。筆者も息子が幼稚園時代に「遠足の引率係は小さい弟妹のいない方で、下校の早い小学生のお子さんのいない方にぜひ……」と促された経験があります(笑)。結局、引き受けたのは筆者も含めたひとりっ子のママさんばかり、4人でした。私たちは楽しんで引き受けましたが、なかには苦手に思う人もいるでしょう。配慮は必要ですね。
3:活動内容の非効率さ・時代とのズレ
延々と続く会議や、非効率な活動内容など、今の時代に合っていないのでは? と感じるママたちも少なくありません。
『PTAの副会長をしているが、ほぼ毎日、作業があって午前中は潰れている……』
『PTA役員。人手を集めて大きな九九の表を手作りした。あまり有意義に思えなかった』
『地域のスポーツイベントのお世話役で2年任期。月に1度の会議が長丁場。16時集合で終了は20時』なかには「無駄な仕事も多く、効率も悪い。時代遅れ」とバッサリ切り捨てるママも。けれどPTAの業務を外部委託にするなど、時代に合わせて改革していこうという動きもあるようです。
『現在PTA会長です。減らせられるものは減らしていこうと改革中です』参考:ママスタセレクト|「PTA業務代行サービス」は賛成?反対?2,300人を超えたママたちの回答は<ママのリアル調査>
4:負担の偏り
「結局いつも同じ人がやっている」「名ばかりで仕事は一部の人に集中」と感じているママもいます。
『PTAで広報をやった。ダラダラと長い会議で、結局「決まらないなら私がします」と引き受け、1人で作業することに。子どもと過ごす時間が減ってつらかった』「バレエ教室の世話役をしたが、想像を絶する大変さだった」というママもいます。この方はあまりの大変さに、お子さんのバレエ教室を変えたのだとか。そこまでくると異常にも思えますね。

一歩踏み出せば新たな出会いがあるかもしれない
今回のアンケートでは7割のママたちが役員や係を経験したと回答しましたが、その多くが「大変だったけれどやってよかった」と前向きに振り返っているのが印象的でした。なかでも「やってよかった」と感じるポイントには「人との出会い」が大きく起因しているようです。
『良心的&協力的なママさんがたくさんいたからできたと思う』
『保護者会長をしたが、周りの役員さんたちが優秀で頼りっぱなしだった』「仲間に恵まれた」「やる気のある人と一緒で楽しかった」というコメントも多く聞かれます。さらに、役員を一緒にやった縁が長く続き、自身の本当の友達になっていく、というパターンもあるでしょう。
『今しか経験できないことだから絶対やったほうがいい!』と熱意あるコメントもあります。役員や係を引き受けるのは面倒だな、と感じているママも、一歩踏み出せば、思わぬ出会いや学びがあるかもしれません。
【アンケート概要】
総回答数:1,139票
調査方法:インターネット
調査月:2025年4月
調査・分析:ママスタセレクト編集部
【ほかでは聞けないアンケート】:ママたちの気になる回答結果は……?
文・編集部