「恋愛リアリティショー」にのめりこむ“恋愛初心者”に待ち受ける末路…婚活のプロが本気で“注意喚起”したいワケ

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2025年05月29日 16:30  日刊SPA!

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『あいのり』(フジテレビ系)の放送開始から、はや四半世紀が過ぎました。テレビ一強だった時代も移り変わり、動画配信サービスのコンテンツも強い影響力を持つようになって、「恋愛リアリティショー」も今や乱立しています。
 ティーン層には『オオカミには騙されない』(ABEMA)をはじめとした「オオカミシリーズ」が、アラサー世代には『バチェラー・ジャパン』および『バチェロレッテ・ジャパン』シリーズなどが、その人気を牽引してきたでしょうか。

 最近では、かつての『あいのり』世代が出演者の年齢層と重なる、『あいの里』も大きな話題となり、もはや恋愛リアリティショーを「一切見たことも聞いたこともない」人のほうが稀有かもしれません。

 しかし、婚活中なのに見ているというあなたには、「のめりこまないでください」と警鐘を鳴らしたい――というのが、今回のテーマです。結婚相談所「マリーミー」で代表を務める私、植草美幸が解説します。

◆“息抜きのため”のうちは問題ない

 いきなりバッサリと言ってしまえば、結婚・恋愛願望が叶っていないままに恋愛リアリティショーにはまる行為は、「異世界転生モノ」や「美少女ゲーム」にのめりこむことで現実から目を背けようとすることに似ています。
 
 もちろんそれも時には必要で、現実の息抜きのためにコンテンツに触れていられるうちは問題ありません。ただ、恋愛リアリティショーは、考え抜かれたセリフが用意されているドラマとは違い、その場での生っぽさのあるやりとりこそが売り。婚活・恋活中の人たちがうっかりハマってしまうと、その生々しさに飲みこまれて疑似恋愛で満足し、現実の自らの活動がおろそかになってしまう危険性があることを、注意喚起したいのです。

◆「共通の話題」になりはするが…

 とはいえ、人気番組ともなれば視聴者数が多く、「共通の話題にもしやすいからどっぷりはまりたい」と思われる方もいることでしょう。あるいは、「リアルな恋愛のやりとりを見ることで勉強になるから、むしろのめりこんでこそ疑似体験が出来る」という方もいるかもしれません。

 しかし、どちらも見当はずれです。まず「共通の話題」になったとして、お互いにハマっていればいるほど、番組中の「推し」と現実の相手を、双方ともに比べてしまって泥沼となる可能性があります。これは先ほどの「リアルっぽさ」ゆえの問題です。

 そうでなかったとしても、出演者の言動をそれぞれが論評することで盛り上がるのも危険な兆候といえます。その評論家テンションがデート中にも板について、現実の相手までも品定めするようになり、するとあなたの視界にはいつまで経っても「いい人」は現れなくなってしまうのです。

◆「恋愛リアリティショーで勉強」は的外れ

 では謙虚に、あくまで「勉強のつもりで」見ているとしましょう。恋愛リアリティショーで映し出される恋愛模様とは、たとえば「素人の草野球」か、または「プロ野球」のようなものです。

 初心者が「野球を始めたい!」と思ったときに、素人の草野球の動画を視聴することから始めるのはナンセンスであり、まずは自分が初心者チームの草野球のメンバーに入れてもらうか誰かに教わりながら、実際にやってみるべきでしょう。

 あるいはプロ野球を見て、「こんな風に自分も野球がしたい!」と思っても、何の基礎も訓練もしていないのに出来るわけはなく、それが出来る人は、小さい頃から訓練と努力を積み重ね、肉体や精神を鍛え抜いていなければなりません。

 こうしたことが、いかにトンチンカンであるかは誰にでもわかるはず。「結婚や恋愛をしたいから、恋愛リアリティショーで勉強」も、ほとんど同じ的外れであるのに、途端に気づけない人が急増してくるのです。

 人それぞれ全く環境や特性も違いますし、自分以外の人の初めての恋愛も、考えられないほどにモテてきた人々のきらびやかな恋愛も、どちらも恋愛初心者の参考書として適切ではありません。

◆なにより大切なのは…

 婚活・恋活をするうえでは、ほかの誰でもない、自分自身がプレーヤーでいることがなにより大切です。

 そのために、コンテンツの擬似・代理の婚活や恋活で現実逃避をしないこと、そして適切で良質な参考書選びが肝要となります。

 私のおすすめの参考書は、欧米系ドラマ全般です。なにも恋愛モノでなくても構いません。欧米系のドラマだと、どんなジャンルのものであれ、「自分の気持ちをはっきりと言葉にする」「会話から逃げずにしっかりとお互いに話し合う」シーンが多々描かれます。

 そうした「真に相手と向き合うコミュニケーション」のやり方をドラマを通して学ぶことで、婚活や恋活における最大の障壁である、コミュニケーション不全を乗り越える糧にできるはずです。

<TEXT/植草美幸>

【植草美幸】
結婚相談所マリーミー代表取締役、恋愛・婚活アドバイザー。 1995年にアパレル業界に特化した人材派遣会社エムエスピーを創業。そこで培ったマッチング能力・人材発掘力を生かし、2009年に結婚相談所マリーミーを設立。日々カウンセリングを行いながら、セミナーの開催、テレビやラジオへの出演など幅広く活動中。著書に『ワガママな女におなりなさい 「婚活の壁」に効く秘密のアドバイス』(講談社)、『モテ理論』(PHP文庫)など

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  • 所詮はドラマであり、ファンタジーであり、エンタメであり……それを真に受けるのも、批判するのも、馬鹿馬鹿しい。
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