
埼玉・川口市に新たな商業施設がオープンします。再開発の“目玉”なのですが、なぜか建物は“中古”物件。そこにはやむにやまれぬ理由がありました。
建築資材高騰で止まらない“開発白紙”井上貴博キャスター:
建築資材の高騰で再開発などに影響が出ています。「中野サンプラザ」の再開発白紙へ、「五反田TOCビル」の建て替え延期(現在はリニューアルして営業再開)、「目黒区民センター」の再整備事業中止など、他にも野球のスタジアムの着工延期などが挙げられます。
この建築資材の高騰は、私たちの住宅にも影響が及びます。
TBS報道局 経済部 渡邉優子 記者:
全国の新築分譲マンションの平均価格の推移を見てみますと、2016年は4560万円でしたが、2022年に急上昇し、2024年は過去最高の6082万円でした。
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都市開発業者の幹部に取材をしたところ、「土地はあるのに建物が建たない」と話していました。
550万円の住宅 どう建てる?井上キャスター:
全国平均の数字で6000万円を超えてるわけですよね。都心に限ると、1億円を超えていると言われますが、そんな中で、550万円で建つ家があるということですが。
渡辺記者:
こちらは3Dプリンターで作られた建物です。まず工場で、生クリームのようにコンクリートを絞り出して建物のパーツを作り上げます。出来上がったパーツは実際の現場に車で運び、現場ではそのパーツを組み立てるのみという方法です。
税別で550万円、家の形になるまでは延べ48時間。1日8時間あたりの作業だとすると、6日間で家が出来上がります。
この方法で今、住宅を中心に全国で既に11棟が建てられています。
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井上キャスター:
具体的に、どこにあるのでしょうか。
渡辺記者:
2人用の建物ですと、愛知県の小牧市。さらに能登にホテルが建っていて、もう一つは種子島にあります。
井上キャスター:
被災地にあるということですね。
こういうことができると、被災地でも簡易的にすぐに家が建てられるということですよね。
いとうまい子さん(俳優・経営者):
しかも耐久性もあるってことですよね。住宅としてしっかり住むことができるし、安いし、いいですね。
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出水麻衣キャスター:
コンクリートの打ちっぱなしのようで、スタイリッシュで、非常におしゃれですよね。何よりもすぐ建つということがいいなと思いました。
井上キャスター:
次は注目の新商品ということですが、「50年ローン」が登場したそうですね。
渡辺記者:
実はマンション価格の高騰だけではなく、日銀が利上げした影響もあってか、銀行の住宅ローンに「50年ローン」が最近登場しました。最大が50年ということです。
ネット銀行での取り扱いが増え始めていて、銀行の担当者も「思った以上に申し込みが多い」と話していました。
住宅ローンといえば主流は35年ですが、35年と50年ではどれぐらい値段が違うか見ていきます。
【6000万円借り入れた場合】(auじぶん銀行の場合)
▼35年ローン(金利0.730%)
月々:16万1926円
総額:6966万8973円
▼50年ローン(金利0.830%)
月々:12万2215円
総額:7498万8753円
▼差額
月々:−3万9711円
総額:+531万9780円
auじぶん銀行の場合の試算によると、35年ローンと比べて50年ローンの場合は0.1%の金利が上乗せされますが、その代わり月々の支払額が約4万円も減ります。
ただその分、50年間利息を払い続けなければいけないので、総額では支払額が531万円増加となってしまいます。なので、どちらを取るかということになってきます。
いとうまい子さん:
私の場合、今から50年だと、人生100年を超えちゃいますね。
渡辺記者:
50年ローンには条件があり、誰でも組めるわけではありません。その条件とは、「満80歳までの完済」です。契約時に50年間、毎月払い続ける前提があります。
ただ、あくまで最大50年なので、36年〜50年の間で好きに選ぶことができます。
auじぶん銀行の場合、2025年1月からサービスが開始されましたが、開始から2か月で、既に4人に1人が35年以上のローンを申し込んでいるそうです。
出水キャスター:
健康問題などの付則はあるんですか。
渡辺記者:
通常のローンと条件は一緒です。
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〈プロフィール〉
いとうまい子さん
俳優・経営者 1983年アイドル歌手としてデビュー
45歳で早稲田大学に入学 今年度から大学教授に就任