子どもらが未来の防災アイデアを発表する「こども防災万博」が5月28日、大阪市此花区の大阪・関西万博EXPOホールであった。小学生部門では香川県内の6年生10人が登壇。回転ずしのレーンから着想した物資運搬トンネルや、空に家を浮かべ地面に自然を残した未来の安全都市など、夢いっぱいのユニークなアイデアをスピーチし、災害に備える大切さを訴えた。
イベントは最先端技術を活用して防災教育や減災を考えようと、大阪市のIT企業が主催した「防災万博」の一環。香川大の小学生向け防災プログラムの参加者らが、それぞれ「こんなものがほしい」と思う防災の機器やシステムを考え、AIチャットで作成したイラストも使って1人3分間で説明した。
香川大付属高松小6年、西尾凜子さんはAIペット型シェルター「ハチドリ号」を発表。普段はペットとして世話をし、災害時は家族で避難できる大きさになる装置を考えた。飼い猫の避難について考えたことがきっかけといい、「避難するときもみんなで避難したい。さらに普段はゲームのように楽しく誰でもできるような装置にした」と話した。
高松市立仏生山小6年、小川絵麻さんは「安心安全ベッド HUG POT」というカプセル型ベッドルームを考えた。「災害時はベッドにもぐりこむだけで安全」という装置。「怖がりなので、家の外へ避難するより安心な方法を」と発想したという。同市立栗林小6年、樋口航大さんは海水淡水化装置を提案。香川は普段から水不足になりやすいため、海水の利用を思いついたという。「ソーラーパネルを動力源にしたのがポイント。災害時はもちろん、普段から水を大切にしたい」と話した。
香川大地域強靱(きょうじん)化研究センター長の金田義行・特任教授は「子どもたちの可能性の素晴らしさを痛感した。いつか自分たちがやるという意識を持ってスピーチしている。メタバースなども活用しながら、未来志向でやるのが大切だ」と述べた。【辻加奈子】
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