
日本代表の伊東純也、中村敬斗、関根大輝(今回、伊東と関根は招集されず)が所属するスタッド・ランスの2部降格が決定した。ランスはメスとのプレーオフ・セカンドレグで延長戦の末に敗れ、無念の降格となった。
5月29日(現地時間)、ランス対メス戦を撮影取材するため、フランス北部マルヌ県のランスを訪れた。
2024−25シーズン、フランス、リーグ・アンを16位で終えたランスは、リーグ・ドゥ(2部)3位のメスと昇降格をかけたプレーオフを戦うことになった。ホーム&アウェーの1戦目はメスのホームで1−1の結果だったため、ランスでの2戦目が両チームの来季をかけた決戦の舞台となった。
よく晴れた平日の夕刻、赤いユニフォームをまとったたくさんのランスファンがスタジアムを目指した。そのなかには、「Ito」と書かれた7番のユニフォームを着た家族3人の親子や、「Nakamura」のユニフォームを着たファンの姿があった。
試合は伊東と中村が先発、関根はベンチからのスタートとなった。
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試合が動いたのは後半12分。ボックス内で伊東がコントロールしたボールを走り込んだアンジュ・マルシャル・ティアがかっさらうような形で、そのまま逆サイドにシュートを突き刺し、ランスが先制する。
会場は大いに盛り上がる。選手たちもアップ中のメンバーも混ざってのセレブレーションだった。
リードを奪ったホームチームは、77分までに関根の投入を含む5枚の交代を行ない、フレッシュな選手での逃げきりを図った。
しかしその直後の78分、押し込まれた混戦のなか、中途半端になったパスをさらわれて同点弾を許してしまう。思わず崩れ落ちる伊東の姿があった。
決着は、1−1のまま延長戦に突入する。
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伊東は豊富な運動量で逆サイドにまで顔を出して攻撃にアクセントをつけ、守備にも奮闘。惜しいシュートもあった。中村は右サイドのポジションでスタートしたが、後半途中からはトップの一角としてプレー。積極的にシュートを放ったが枠を捉えられなかった。
だが、ランスは延長後半に入った110分に逆転ゴールを許してしまう。その後は同点を目指しパワープレーを図ったが、カウンター攻撃から無人のゴールへロングシュートを決められ、1−3で勝負は決した。
フル出場の伊東はがっくりと座り込む。倒れ込んだ中村はしばらく起き上がることができなかった。
傷心のランスのゴール裏サポーター席からは、客席のシートが剥がされ、次々とピッチへ投げ込まれた。
ランスは来季、7年ぶりに2部が戦いの舞台となる。日本人3選手の動向にも影響がありそうだ。
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