
とある飲食店のチェーンで店長として働いている40代の男性Aさん。そのお店が大学の近くにあることから、学生アルバイトも多く活気に溢れています。アルバイト同士の仲も良く、いつの間にかカップルが誕生していることも。
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ある日、アルバイト同士のカップルとAさんが一緒に働いていると、どうやら喧嘩中のようで、お互いに「話しかけるな」とばかりに緊張感が漂っていました。他のアルバイトの学生たちも、どのように接していいかわからず気まずい雰囲気です。
心配になったAさんは他店の店長に相談したところ、「よくあることだ」と一蹴されてしまいます。その後、他の店舗でも同様のトラブルが発生していたこともあり、本社から「アルバイト同士の交際禁止」との通達がきます。しかしAさんは「そこまで拘束してしまっていいのだろうか?」と、この通達に対して疑問を感じています。
実際に、会社が従業員同士の恋愛を禁止しても問題ないのでしょうか。社会保険労務士の北村庄吾さんに聞きました。
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会社が従業員同士の恋愛を禁止してもいいの?
ー会社が従業員同士の恋愛を禁止してもいいのでしょうか?
企業には職場秩序を維持するための「指揮命令権」が認められていますが、それが私生活の自由に及ぶことには限界があります。従業員同士の恋愛を一律に禁止することは、職場の風紀・秩序を乱し、実害がある場合を除き、労働者の私生活上の自由(憲法13条)や人格権の侵害として、法的に無効とされる可能性が高いと考えられます。したがって、企業が恋愛関係そのものを全面的に禁止することは、合理的な理由がない限り、適切とはいえません。
ーでは、トラブルが起きないようにするにはどうしたらいいでしょうか?
恋愛関係に関する情報は、個人の極めてプライベートな領域に属します。企業がこれを監視・調査・報告させることは、プライバシー権の侵害に該当する恐れがあり、就業規則などにおいてもそのような義務を課すことは、基本的に認められません。
ただし、交際関係が職場内の人事評価・業務遂行等に直接的な影響を及ぼす場合には、段階的かつ慎重な法的・実務的な最小限の介入(例:事実確認・指導・部署異動など)を検討する余地はあります。
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職場恋愛そのものより、企業が本当に気をつけるべきことは
ー企業ができることや気をつけるべきことはあるのでしょうか?
職場恋愛そのものよりも、企業が本当に気をつけるべきなのは、ハラスメントのリスクです。
・告白を断ったら嫌がらせされた ⇒ パワハラ、モラハラ
・別れた後に無視されたり、陰口を言われた ⇒ パワハラ、いじめ
・恋人だけ特別扱いをする ⇒ パワハラやホワハラ
こういった「二次的被害」が発生してしまうと、企業としての責任も問われます。ですから、「恋愛禁止」よりも、ハラスメントの予防や職場秩序の維持を目的としたルールづくりが大切になります。
実際に、あるキャバクラで雇用契約にあたって、私的交際禁止が取り交わされ、合意の有効性が問われた事例もあります。女性キャストが従業員と交際していることで、客が寄り付かなくなり、経営に影響が及ぶと考えたのです。
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女性従業員が副店長と交際していることが発覚したため、会社側が契約で定めた違約金として200万円を請求しましたが、無効であると判断され会社側の訴えは棄却されました。企業としては、恋愛そのものを咎めるのではなく仕事に悪影響が出ないような体制整備が求められます。
具体的には次のようなものです。
・上司と部下の恋愛が発覚した場合は、公私混同を避けるための異動ルールや報告制度
・ハラスメントやトラブルが発生したときの相談窓口の整備
・セクハラ、パワハラ研修などで職場の意識づけ
・懲戒処分は「具体的な業務上の支障」や「ハラスメント行為」があった場合に限定する
職場恋愛に対して企業が一律の禁止を設けることは、プライバシーや法的自由との抵触が大きく、リスクを伴います。企業としては、個人の尊厳を尊重しつつ、公私混同の回避・ハラスメント予防・公平性確保を柱とする社内整備が望まれます。もし恋愛関係に起因する職場トラブルや不公平が懸念される場合は、あくまで「業務への影響」という観点から対応することが、実務的にも妥当なアプローチです。
◆北村庄吾(きたむら・しょうご)ブレイン社会保険労務士法人代表社員・株式会社総合事務所ブレイン代表
1991年に法律系国家資格者の総合事務所Brainを設立。ワンストップサービスの総合事務所として注目を集める。1993年から起業家の育成に力を入れ、第3次起業家ブームを作る。その活動はNHKテレビ等数多くのメディアで紹介された。週刊ポスト誌上での「年金博士」をはじめ、年金・医療保険等の社会保険制度の問題に対して鋭いメスを入れる「評論家」としてもテレビ・雑誌で活躍。
(まいどなニュース特約・長澤 芳子)
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