記事を無断複製、著作権法違反容疑＝コンサル会社役員を書類送検―警視庁

　新聞社や出版社の記事を無断で複製し、社内で共有したとして、警視庁生活経済課は３０日、著作権法違反（複製権侵害）容疑で、コンサルタント会社「ジェイ・ウィル・エックス」（東京都千代田区）役員の男（６０）＝港区＝と社員の男（４３）＝荒川区、法人としての同社を書類送検した。捜査関係者への取材で分かった。いずれもおおむね容疑を認めているという。

　送検容疑は２０２３年７月〜２４年１０月、産経新聞社や上毛新聞社、ファクタ出版など５社の記事計１６本を無断で複製した疑い。同課は起訴を求める「厳重処分」の意見を付けた。

　同法は私的利用や図書館での複製などを除き、著作物の無断複製を禁じている。

　捜査関係者によると、情報共有担当者が、有料で契約するデータベースに収録された各社の記事などをメールに添付して送信したり、クラウドに保存したりして、社内で閲覧させていた。書類送検された社員は、情報共有担当部署の責任者だった。

　無断複製したのは約１００社の記事、約１万３０００本に上った。インフラや特定の地域に関する記事などが共有されており、同課は社員がコンサル業務などのために情報を得ていたとみている。