『プリンセッション・オーケストラ』 空野みなも/プリンセス・リップル役・葵あずさインタビュー!「みなもの隠れた本心を理解できるように」読者に人気のアニメ作品から、期待の声優に作品や役柄について語ってもらう雑誌「メガミマガジン」のインタビュー企画「Megami’sVoice」。2025年6月号では、TVアニメ『プリンセッション・オーケストラ』より、空野みなも/プリンセス・リップル役・葵あずさのインタビューをお届け。本稿では、本誌で紹介できなかった部分も含めたロングインタビューとなっている。
みなもの隠れた本心を理解できるように
――『プリンセッション・オーケストラ』の最初の印象を教えてください。
オーディションを受ける段階でいただいた資料に、朝の放送で、期間も1年間だと書いてあったんです。私も子供のころに、同じような作品を見て育ったので、これはもしかしたら歴史に残る作品になるんじゃないかと感じていました。お話自体は子供向けというわけではなく、怪しさや怖さ、難しい部分もあって、年齢関係なく見る人のツボを押さえるような、そんな作品になっていると思います。
――みなも/リップルは、どんなキャラクターですか?
初めて資料を見たときの印象は、「いい子」「やさしい子」でした。マイナスな感情は少なめなのかなと思っていたんですが、実際にアフレコが進むと、怒るときは怒るし、悲しいときは悲しむ。そして、相手に対して憎たらしいなと思うこともあるんです。最初に「いい子」と感じたのは、強い感情をあまり表に出さないからこそなんだなと気づきました。
――そんなみなも/リップルの推しポイントは?
自分で言うのもなんですが、「声」です(笑)。私がものすごく愛を込めて担当させていただいているのはもちろんなんですが、みなもちゃんらしい話し方というのがあるんです。私だったらこんなふうには話さないけれど、みなもちゃんだったらするというのが自分のなかでも決まってきて、その話し方がおもしろいんです。私を導いてくれる話し方なので、セリフも含めて「声」を推したいです。
――初めて変身したあとの第2話で、「プリンセス・リップル」と名乗っておきながら「リップルって誰さん!?」と言っているのもおもしろかったです。
「さん」を付けるんだなぁと思っていました(笑)。みなもちゃんはまじめなんですが、どこか抜けたところがあって、それが周りに勇気を与えてくれるんですね。そういうところもかわいいし、素敵だなと思います。
――みなもを演じる際に、どんなことを大切にしていますか?
まず、みなもちゃんが何を考えているのかを台本の下のスペースに全部書いています。みなもちゃんは、怒りながらも表向きは「ありがとう」と言うように、本心を隠すことが多めなんです。そういった部分を大切にしたくて、自分のなかでみなもちゃんの感情を考えてからアフレコに臨むようにしています。そうすることで、心の内から生まれる音があるんですね。実際にそうしてアフレコに臨むようになって、最初のころに考えていたテンポよりも、ゆっくりと話すようになりました。
――リップルに変身したあとは、演じ方を変えていますか?
心は変わらず、ずっと大切な存在を守るという強い気持ちはありますが、リップルになると警戒心が強くなります。どこから敵が出てくるか、守るべき存在がどこにいるかわからないので、視野を広くする必要があるんです。台本を読んでいるときにも、自然と敵が何人、どこにいるのかなどの情報をすごく考えています。情報が多めなぶん、考えることが多くて体力は削られますが、みなもちゃんのときよりも戦う気持ちは強くなっているなと思います。
――リップルたちは戦いながら歌うということで、パンチのシーンなどでは歌がブレることがありますよね。
スタッフさんたちは「歌アフレコ」と呼んでいて、台本が歌詞カードに、セリフが歌になっただけという感じです。アフレコ中に歌っているので、私を含めみんな体も動かしていますね。とにかく全力で臨むことを心掛けていて、テストテイクではダメージを受けたときの歌は聞き取れなくてもいいかな、くらいの気持ちでいます。
――歌いながら戦うことへの難しさはありますか?
戦いの最中にくじけそうになったり、弱い気持ちになったりもするので、そこを考えながら歌うことは難しいですね。でも、リップルたちもどんどん成長していくので、毎回その強さに追いつけるようがんばっています。
――歌以外で、みなも/リップルを演じる際に難しいなと感じることはありましたか?
みなもちゃんは、私の想像を超えた強さを見せることが多いんです。こんなことがあったらみなもちゃんも下を向いちゃうだろうと思っても、台本をめくったら上を向いていることがよくあるんです。自分の想像を超える行動をしているときは、気持ちの流れも変わってくるので、いったいどうしてそういう感情になったのか、その気持ちを埋めていくのが大変で。もっともっとみなもちゃんの思いと向き合う時間がほしくて、1日が24時間以上あればいいのにと思うくらいです。
――スタッフからのディレクションで、印象に残っていることは?
ずっと「一生懸命」と言われています。みなもちゃんって、何も知らないときも、プリンセスになって強くなってからも、「一生懸命」であることに変わりがないんです。一生懸命だからこそ、泣いたり怒ったりすることもある。それが強さではなく弱さに見えることもあるのですが、その「一生懸命」さはずっと持っていようと思っています。
――一緒に戦うことになるかがり/プリンセス・ジールと、ながせ/プリンセス・ミーティアへの印象は?
かがりちゃんは、私がアニメを見ていたら、絶対に好きになるキャラクターです。歌姫と呼ばれるくらいに歌が上手で強くてカッコいいけれど、甘いものが好きというギャップもあって、そこに心を引かれるんです。でも、それだけではない部分をみなもちゃんも感じ取っているから、頼りがいがあるけれど頼られたいと思っているんだと感じています。ながせちゃんは、私から見るとうらやましいと思えるような存在です。もちろん、彼女なりに悩みはあると思いますが、瞬発力があってまさに流れ星のような存在。ながせちゃんにも、キャストの橘杏咲ちゃんにも同じような思いを抱いています。
――まだまだ謎も多いですが、この先の物語の見どころを教えてください。
謎の怪物と戦うことはみなもちゃんからしたらものすごく怖いことですが、それを会ったばかりのかがりちゃん、ながせちゃんと一緒にできるのはすごいと思うんです。私だったら正直イヤかもと思いますが、みんなは運命の出会いだと思って乗り越えることができる。信頼して背中を預け合える相手に出会えたと思えるシーンがどんどん増えていくので、まずそこに注目していただきたいです。そして、3人に愛をくれる周りのキャラクターたちとの絆も感じ取っていただけたらと思います。
MegamiにQuestion
Q.自分のチャームポイント
A.作り出せるえくぼ
子供のころから、自力でえくぼが作れます。あとは、てかてかのほっぺもチャームポイントです。
Q.自分のニックネーム
A.おいおい
『プリンセッション・オーケストラ』の現場で、この呼び名が決まりました。私と橘杏咲ちゃんの名前が同じ「あずさ」なので、苗字からいい呼び名ができないかをみんなで考えたんですね。私はツッコミどころが多いので「おいおい」になりました(笑)。
Q.自分の声の特徴
A.軽やか、高音になるとハスキー
声を高くするとなぜかハスキーボイスになります。透明感があるほうがいいのかなと思ったこともありましたが、みなもちゃんを演じるようになってハスキーな部分も個性かなと思えるようになっています。
Q.自分の性格
A.マイペース
周りから心配されるレベルで起きるのがものすごく苦手なのですが、全然焦りません。結果的に時間に間に合うので、「なんでそこから巻き返せるんだ」とよく言われます(笑)。
Q.いま、ハマっているものは?
A.日替わりで好きな色のものを集める
最近、好きな色は何色あってもいいと思えるようになって、その日の自分がテンションの上がる色のものを集めるようになったんです。取材をしていただいているいまは紫ですが、明日は違う色だと思います。
Q.応援したい存在は?
A.実家のネコ
いま、4歳と2歳なのですが、ちょっとどんくさくて(笑)。机の上に登ろうとして転げ落ちたりもしているので、つい応援したくなります。
Q.みなものお菓子作りのように、得意なものは?
A.料理
調理師免許を持っているので、料理は得意です。
Q.本作のキャッチフレーズ
A.プリンセスたちと一緒に、アリスピアの世界に入れるぞ!
アリスピアに入り込めるような、没入感がある作品だと思います。かわいい世界をぜひ感じてもらいたいです。
Profile
あおい・あずさ/12月31日生まれ。大阪府出身。賢プロダクション所属。
主な出演作は『リンカイ!』平塚ナナ役、映画『先輩はおとこのこ あめのち晴れ』羽川楓役など。
作品Information
毎週日曜日朝9時よりテレ東ほかにて放送中
https://princess-session.com/
動画投稿サイト・アリスピアchを通じて繋がる不思議な国・アリスピア。女の子だけが行けるというアリスピアに、謎の怪物ジャマオックが現れる。その場に居合わせた空野みなもは、プリンセスと呼ばれる存在に変身!がんばる人を守るためジャマオックと戦う。
(C)Project PRINCESS-SESSION
●取材・文/野下奈生(アイプランニング)