
(左から)中林紀彦さん、笹川友里
中林紀彦さんは2002年に日本アイ・ビー・エムに入社し、データサイエンティストとして数々の企業のデータ活用を支援。その後、オプトホールディング データサイエンスラボ副所長、SOMPOホールディングス チーフ・データサイエンティスト、ヤマトホールディングス株式会社の執行役員を歴任し、2024年4月にライオン株式会社の執行役員に就任。筑波大学大学院の客員教授およびデータサイエンティスト協会の理事も務めています。
◆ライオンの「デジタル人材」育成
今週も、中林さんにライオン株式会社のデジタルトランスフォーメーション(DX)について伺います。ライオンではすでにITやデジタル分野への素養をかなり持つ人材が社内に多くいます。うした人々をデータサイエンティストとしてさらに育成し、社内のDXを推進する中核としていく一方で、社内にないスキルを補うために即戦力として外部からの採用も積極的におこなっています。
筑波大学大学院の客員教授も務めている中林さんによると、「データサイエンスのプログラミングなどについては生成AIが教えてくれたり、自動でプログラムを生成するAIエージェントも登場していますが、そんなAI技術を使いこなす学生たちがどんどん増えてきています。デジタルネイティブ以上に“生成AIネイティブ”な学生たちが増えていますね」と今の学生の現状を語ります。
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さらには、今後いろんなプログラミングが自動化されていくなかで、データサイエンスに詳しくない人々にも、その価値を伝えて活用を促すには、人の手による働きかけが必要なので、(人間の役割として)コミュニケーションというものが大切になる」とも。そのためにも、今後はコミュニケーション能力や生成AIを活用するための語彙力がマストになってくると言います。
ライオンでは、事業部門でデジタル活用を進める「デジタル活用人材の育成」にも力を入れています。営業や製造、研究開発といった現場で、社員一人ひとりがデータやITを活用して業務改善に取り組むには全体のスキルアップが不可欠です。
そこで、2024年の秋から冬にかけて社員約3,000人を対象としたデジタルのスキルチェックを実施。「ビジネス」「デザイン」「データサイエンス」「IT」「セキュリティ」という5軸のスキルをレーダーチャートで可視化し、この結果をもとに足りない部分を補う形で全社的にスキルの底上げを進めています。加えて、日本企業にとって重要なミドルマネジメント層の社員に向けたデジタルスキルの教育を強化していきます。
◆オーラルヘルスケアにデジタルサービスを活用
最後に、ライオンが目指すデジタル分野の展望を伺うと、「新しいチャレンジとして、今後はデジタルサービスを伸ばしていく戦略にも力を入れていきます。」と中林さん。注力する分野として、オーラルヘルスケア領域を挙げ、「“むし歯や歯周病の予防”に加えて、噛む力、飲み込む力、会話する力といった口腔機能全体が、全身の健康に影響するというエビデンスが出てきています。そういった口腔衛生から口腔機能まで我々の対象領域を広げていくことにフォーカスしていきます」と力を込めます。
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次回5月31日(土)の放送は、VALT JAPAN株式会社 代表取締役CEOの小野貴也さんをゲストに迎えてお届けします。プラットフォーム「NEXT HERO」についてなど、貴重な話が聴けるかも!?
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5月24日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2025年6月1日(日) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:DIGITAL VORN Future Pix
放送日時:毎週土曜 20:00〜20:30
パーソナリティ:笹川友里
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