
内側から輝くような美しい肌をキープし続ける君島十和子さん。日頃から意識して生活に取り入れているのが“腸活”だという。
美も健康もメンタルも腸活が支えてくれた
「腸の調子がよければ肌ツヤがよくなり、メンタルも安定することを年々実感しています」
美容家として30年培ってきた知識と、自らの経験から、美と健康の秘訣は腸にあると体得した。
「腸が整うとむくみもとれ、身体がスッキリします。代謝もアップして太りにくくなり、無理なく健康的な状態が維持できるようになりました」
多忙でメンタルが乱れ“もう限界かも”と弱音を吐きたくなる時も、腸活をしているという自信が自分を支えてくれたそう。腸活を続けていることで、健康はもちろん、メンタルが落ち着きポジティブに過ごせていることが一番の喜びと語る十和子さん。
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その具体的な取り組みを伺うと、「腸の動きを促進するためにも、まず朝ごはんは欠かしません。定番は卵料理と、主食は炭水化物の中では食物繊維が豊富に含まれているオートミールの出番が多いですね。フルーツはバナナやキウイが定番で、季節のものも楽しみます」
夕飯は朝食から12時間以内を目安に食べる。すると生活のリズムが整い、睡眠の質や肌の調子がよくなるという。日々の献立には発酵食品や野菜、いも、豆、海藻、きのこなど食物繊維を意識してバランスよく取り入れている。
「メインのおかずは日によってお肉やお魚で、付け合わせは野菜のソテーやマリネなど。おみそ汁は具を2〜3種類入れて、1日1回はいただくように。小鉢には主人が好きな酢の物が定番。主食のご飯を好みの量にして、全体を調整しています」
長く続けるために外食なども考慮して、およそ1週間で食事のバランスをとるのが十和子流の腸活。こだわりすぎて逆にストレスをためないように好きなものを楽しみつつ食べることを楽しんでいる。
「50代後半になり、老化も抗いようのない事実。そんな中で、毎日腸の状態は変化していて、常に体調に影響しています。だからこそ、無理せず毎日続けていくことが大切だと感じています」
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十和子流腸活「おすすめ食材3選」
《第1位》おみそ
みそには善玉菌が豊富に含まれているので腸内環境をよくしてくれます。無農薬栽培大豆、麦麹、海塩で毎年みそを手作りしている
《第2位》きのこ類
善玉菌のエサになる食物繊維が豊富で、腸内環境を整えるのに役立ちます。
《第3位》海藻類
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ミネラルはもちろん、食物繊維も豊富。きのこと海藻入りのみそ汁はわが家の定番。
君島家の腸活レシピ
いつもの定番料理も“腸活”を意識すると食材のバランスがとれ、味も栄養もグッとアップした一品に!
簡単腸活餃子
チーズとキムチは相性抜群の発酵食品。シャキシャキッとしたしょうがの食感もアクセント
材料(2人分)
・豚ひき肉…100g
・白菜キムチ…30g
・しょうが…1かけ
A〔酒、しょうゆ、ごま油…各小さじ1〕
・餃子の皮…12枚
・シュレッドチーズ…30g
・ごま油…適量
【作り方】
(1)キムチはみじん切り、しょうがはせん切りにしてボウルに入れ、ひき肉、Aを加えて混ぜる。
(2)餃子の皮に(1)とチーズを1/12量ずつのせて包む。
(3)フライパンにごま油を熱し、餃子を並べる。餃子が半分ひたるぐらいまで湯を入れてふたをし、強火で蒸し焼きにする。水分がなくなり、パチパチと音がしてきたらふたをあけ、焼き色がついたら器に盛る。好みで酢と粗びき黒こしょうを添えて。
《Point》チーズものせて具だくさんに。シュレッドチーズは細かいタイプを使うと包みやすい。
きのことオクラ、とろろ昆布の和風パスタ
君島家の腸活の定番食材をたっぷりと!とろろ昆布のうまみとレモンの風味が絶妙マッチ
材料(2人分)
・パスタ…2人分(150g程度)
・しらす干し…100g
・オクラ…1袋
・水菜…1/2袋
・しめじ…1パック
・にんにく…1かけ
・塩…適量
・しょうゆ…小さじ1
・こしょう…適量
・オリーブオイル…大さじ3
・とろろ昆布…10g
・レモンのくし形切り…2切れ
【作り方】
(1)水菜は4cm長さに切る。にんにくはみじん切り、しめじはほぐす。
(2)オクラはネットに入れたまま塩小さじ1を振ってこすり合わせ、サッと洗ったら30秒ほどゆでてざるにあげる。粗熱がとれたら5mm厚さに切る。
(3)なべにたっぷりの湯を沸かして塩適量を入れ、パスタを表示時間どおりゆでる。
(4)大きめのフライパンにオリーブオイルとにんにくを入れて弱火で熱し、香りが立ったらしめじとオクラを加えて中火でいためる。しめじがしんなりしたら、水菜としらすを加えてさらに30秒いため合わせる。
(5)パスタがゆであがったらざるにあげて湯をきり、(4)のフライパンに加え、しょうゆを加えて混ぜる。塩、こしょうを適量加えて味をととのえ、器に盛り、とろろ昆布をのせてレモンを添える。
《Point》水菜はあまり火を通しすぎず、少しシャキシャキ感が残るくらいに仕上げよう!
十和子さんの腸活習慣
食はもちろん、日頃の生活でも“腸活”を意識。できることから一つずつ、少しでも習慣化することが大切!
生活の中で「腸」を意識すれば効果アップ
腸活する上で大切な要素は、運動、睡眠、水分補給、メンタルケアと語る十和子さん。これらはすべて腸内環境と密接な関係にあると実感している。
「運動をして腸のぜん動運動を促すことや、質の良い睡眠をとること、寝起きに腸を起こすための水分補給など、腸内環境を整えるために意識して行っています」
腸活のメリットを実感したきっかけもあった。数年前のコロナ禍のころ、何も心配事はないのに朝起きると不安を感じるようになったという。
「何かの病気なのかな……と、最初は思っていたのですが、更年期の症状だったんですね。それを理解した上で、さらに腸活を意識してみたら、症状が落ち着いていきました」
腸は『第二の脳』とも称されるとおり非常に多くの神経細胞が張り巡らされている。腸内環境が整うことで脳もポジティブになり、やる気もアップするという効果も。
「美肌のために腸を整えなくちゃ、と思っていた時期もありましたが、今では心を穏やかに、メンタルを整えてくれるといった意味でも欠かせない習慣だと感じています」
20代の肌荒れに悩んでいたころに「腸が大切だ」と聞き、とにかく毎日ヨーグルトを食べればいいと思っていたと笑う十和子さん。
「腸内環境は日々変わりますし、加齢によっても消化吸収力は落ちてきます。だからこそ、発酵食品や食物繊維をとったり、運動をしたり、睡眠環境を良くしたりとさまざまな方面から腸をよりケアできる方法を取り入れ、今では自分の身体の状況をかなり把握できるようになりました」
スキンケアをしっかりしているのに効果が出ない、疲れがなかなかとれない、何かとストレスがたまりがちな人にもぜひ腸活をすすめたいと語る。
「疲れて、落ち込んで食事まで気が回らない……という人こそ、少しずつでいいので腸内環境を意識するといろんなことが改善してくると思います。ぜひ一緒に腸活生活を楽しみましょう!」
ウォーキングやストレッチラジオ体操でもよし!
腸活する上で運動は大切な要素。でも家事だって立派な運動。気負わず始めましょう。私は週2〜3回ウォーキングやジョギングを習慣に。また、寝る前にラジオ体操をして、睡眠中の腸活をアシスト! 朝のお通じが変わります。
夜中に起きることが少なく朝、スッキリ目覚めることが理想
寝る前に固形物を食べない、寝室の快適な室温を保つ、リラックスした服装で寝る、寝る前はブルーライトを避ける。これらを意識して安定した質の良い睡眠を意識しています。やりがちな寝る前のスマホも避け、30分の読書タイムにして穏やかな入眠を心がけます。
日本人の7割以上が水分不足!こまめにとることがポイント
朝起きたら白湯を1杯、朝昼晩の食事の30分前、おやつタイム、入浴の前後、夜寝る前は必ず水分をとるようにしています。他にも、日中は1時間に1度、ひと口でもとるように意識していて、常温のお水や白湯を基本に、なるべくノンカフェインのドリンクを。ビタミンのとれるトマトジュースやリラックスできるハーブティーもお気に入り。
君島十和子さん●FTCクリエイティブディレクター、美容家。モデル、女優として活躍後、芸能界を引退。現在は自身のスキンケアブランドの仕事のほか、テレビや雑誌でも活躍中。最新著書『君島十和子のおいしい美容「腸活レシピ」』(主婦の友社)が発売中。